ボストン発--Sendmailが、重要な新技術をオープンソース版としてリリースすることを検討している。
Sendmailは、広く普及しているオープンソース版Sendmailと互換性のあるプロプライエタリソフトウェアを販売している。Sendmailは(同社の社名である以外に)、サーバから別のサーバに電子メールを転送するソフトウェアの名称でもある。同社の最高科学責任者(Chief Science Officer:CSO)で、オリジナルのSendmailを開発したEric Allman氏は、現在取り扱っているプロプライエタリソフトウェアを今後、オープンソースにしていく意向を示した。
「2006年中にオープンソース版が公開されると思う。2007年以降も続ける予定だ」とAllman氏はボストンで開催された「LinuxWorld Conference and Expo」でのインタービューの席上で述べた。
Allman氏によると、オープンソース化される製品の候補として「Mailcenter Store」が挙げられているという。同製品は電子メールが目的のサーバに到達するとそれをアーカイブに保存し、個人のPCがネットワークを介してアクセスできるようにするものだ。もう1つの候補は「Mailstream Manager」で、ポリシーに従ったメールの処理、ウイルス除去のようなタスクのプラグインの受け入れ、規制の遵守などを実現するエンジンである。
Sendmailは「Microsoft Exchange」のような商用製品およびPostfixのようなオープンソース製品と競合している。
誰でも無償でコードを見ることができ、修正や再配布も可能なオープンソースソフトウェアは、少数のマニア向けソフトという領域から脱し、広く使われるようになった。インターネット上で無料で配布されるソフトウェアで、ビジネスを構築することは容易ではないかもしれないが、新興企業や大手ソフトウェア企業はオープンソース製品をつかったビジネスを構築しようとしている。データベース企業のMySQLやLinuxを販売するRed Hatなどの企業は、オープンソース分野でビジネスを確立している。
Allman氏は、Sendmailがオープンソース化を検討している理由をいくつか挙げた。理由の1つとして、同氏が挙げたのは、オープンソース化によってSendmail製品の認知度が高まり、広範囲な導入につながる可能性があることだ。
「確かに、(Sendmailの製品は)ある程度認知されているが、さらに多くの人によって認知されるようになれば、なお素晴らしい」とAllman氏は述べ、オープンソースコンポーネントが広く利用されれば、自社製の商用ソフトウェアの売上にもつながると付け加えた。
また、外部の人たちが、アイデアを提供したり、バグの発見を報告したりしてくれることや、時にはバグ情報とともにソードコードを提供してくれる人がいることも、ソフトをオープンソース化することのメリットだと同氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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