日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC、後藤滋樹理事長) は、IPv4アドレス枯渇に向けて準備が必要と考えられる事項をまとめた報告書 「IPv4アドレス枯渇に向けた提言」を公開した。
本報告書では、まず、すでに発表されている、4つのIPv4枯渇に関する研究成果に関して解説。また、日本のIPv4アドレス登録実績と需要予測では、IPv4アドレスの需要は今後も堅調な伸びが予想されるここと、古い割り当てで未使 用空間が散見されることを示し、それらを有効利用することで枯渇時期を若干 延ばすことができるとしている。
さらに、IPv4アドレスの枯渇の前後においてアドレスの分配と利用がどのよ うに変化するかと枯渇後にIPv6アドレスのみ新規に利用できる場合のインターネットの状況を予測している。
これらの結果を踏まえ、IPv4アドレス枯渇に向けた準備事項を、インターネ ット接続事業者やレジストリ、各種サービス提供者、企業ユーザー、一般ユーザー、技術開発者に分け、それぞれに対する提言を示している。
具体的には、サービスプロバイダや各種サービス提供者に対してはIPv6機能 の具備、企業ユーザーには新規導入設備におけるIPv6機能の具備、技術開発者 にはユーザー利便を確保するためのIPv6機能の改善を提言するとともに、一般 ユーザーでは、そもそもバージョンの違いを意識する機会が少ないため、機器 ベンダーや事業者が一般ユーザーに意識させることなく対応することが重要で あると指摘している。
JPNICでは今後、報告書の英訳版の制作を含めた周知活動を進め、国内外の 議論や新しい研究成果を盛り込んだ情報提供や提言を行えるよう、改版・増補 を定期的に行う。同時にIPv4アドレス枯渇問題をIP事業の重点課題として位置 づけ、IPv6インターネットへの円滑な移行を促進する施策を進め、インターネットの安定運営に貢献していく。
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