RSA SecurityのCyota部門は、オンライン詐欺犯たちが欲しがる情報(多数のユーザ名、パスワード、オンラインバンキングの資格情報、クレジットカード番号など)を与えることでフィッシング詐欺攻撃を防ごうとしている。
フィッシング詐欺の仕組みは、サイバー犯罪者が本物ウェブサイト(通常は金融機関のサイト)に見せかけた偽のサイトを設定し、その企業や団体の顧客をだまして偽サイトに誘導し、顧客のログイン情報や他の個人情報を入力させるのである。
RSAのコンシューマーソリューション担当シニアバイスプレジデント兼Cyotaの共同設立者であるNaftali Bennett氏によると、Cyotaが銀行の顧客を守るために使用する技術の1つはフィッシング詐欺犯らにとって都合の悪いもので、詐欺目的のウェブサイトに多数の偽情報を供給し、本物の情報の特定を困難にするというものだ。Cyoteは、2005年RSAに買収されている。
「その技術は希釈法(dilution)と呼ばれ、われわれは偽の資格情報のリストを生成し、問題のウェブサイトに偽のユーザ名やパスワード、クレジットカード番号などを供給するのである。詐欺犯は300個の資格情報のうち30個程の本当の情報を入手できるかもしれない。われわれはそのような不正な企みを無駄に終わらせ、そして詐欺犯たちにとって危険度の高いものにするつもりだ」とBennett氏は3月30日、ZDNetオーストラリアに語った。
希釈法は、詐欺行為撲滅を目指してCyotaが使用する数ある防御手段のうちの1つだ。
Bennett氏によると、RSA Cyotaは日におよそ15億件の電子メールをスキャンするコマンドセンターを稼動しており、新しいフィッシング詐欺攻撃に目を光らせている。攻撃が発見されると、同社は該当するインターネットサービスプロバイダー(ISP)に連絡を取り、その詐欺サイトを閉鎖させる。
「われわれの主な任務は、そのようなウェブサイトを閉鎖させることだ。サイトは中国、韓国、リトアニアなど12カ国でホストされているかもしれないが、われわれは同時通訳者を使って現地のISPに連絡を取り、われわれが被害に遭っている銀行から電話をしている旨を伝え、そのサイトの閉鎖を依頼する」(Bennett氏)
Bennett氏はこうした過程を約1万5000回繰り返した結果、詐欺行為に対する同社の成果は上がってきていると述べた。「フィッシング詐欺サイトの存続期間は平均で、約6.5日だが、RSA Cyotaの場合は5.5時間。われわれは詐欺行為の機会を確実に減らすことができる」(Bennett氏)
RSA Cyotaが収集した情報は、MicrosoftのブラウザInternet Explorerの次期バージョンIE 7でも利用される予定だ。IE 7は、Cyotaのデータベースを使って既知のフィッシングIPアドレスを調べ、詐欺目的のウェブサイトへのアクセスを阻止することになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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