折りたたみ型ケータイ全盛時代の昨今は、ストレート端末を使いたいドコモユーザーはFOMAではなくmovaの「premini」シリーズを選ぶほかなかった。2006年になって「D702i」、「らくらくホン シンプル」、「SO902i」とラインアップがそろい始めた。SO902iについては同じソニー・エリクソン製の端末ということで、preminiユーザーからの機種変更ラッシュがありそうだ。それを予見しているのか、端末の側面を見ると、端末上部に向かって背面にそるような、今までのpreminiに採用されていたボディラインが採用されているのは、にくい演出だ。
このボディラインのV字谷はぐるりと端末側面を1周しており、メモリースティック Duoスロット・FOMA端子・イヤホン端子のカバーも同じV字谷になっていて、周りのボディとぴたりとはまっている。カバーの材質も堅めで、少しキラキラ光る塗装も周りのボディと同じでキレイな仕上がり。メモリースティック Duoスロットのところを強く押しても、中からメモリカードが飛び出てくることはない。V字谷のおかげで側面に配置されているボタンも、とても押しやすくなっている。
このV字谷の意匠はボタン部分の「ウェーブデザインキー」にも共通している。このウェーブデザインキーにも感心させられる。僕の指がテンキーにかかっている写真があって、明らかにこのテンキーからはオーバーサイズの親指のように見える。しかしこれが、ちょっと不思議な感じすらするけれど、他のキーに干渉することなく入力できるのだ。まだ慣れないので「3」と「終話」キーとを押し間違えそうになるが、「通話」「終話」キーにはキートップに出っ張りがあるので安心だ。
SO902iのデザインで特筆すべきは背面だ。ケータイの背面というのは、折りたたみ型だとどこを一番の背面とするべきか悩むけれど、電池蓋がついていたり、カメラがついていたり、スピーカーが設けられていたり、背面液晶があったり、結構盛り込むべき部品が多い。そこをSO902iはカメラとペンのクリップを模したアクセントだけにとどめている。前面のV字谷を生かしたデザインと相反するような、角を落とした柔らかなイメージのボディ。ここに光沢のあるコーティングが施されている。ついつい裏面を傷つけたくないがために、カメラ側を上にして机に置いている自分に気づく。
SO902iはデザイナーズ端末の称号である「iD」ではないが、放っておいてもこのくらいはスラリとやってくれる。それではソニー・エリクソン初のFOMAの中身を見ていこう。
SO902iはFOMAの最高峰902iシリーズの端末にもかかわらず、本体は46×109×20mm、重さ102gという数字の上ではコンパクトなストレート端末に納めている。数字の上では小さく軽いのだが、手に握ってみるとちょっと分厚く重みを感じる。決して重たすぎるというわけではなく、ぎっしりつまっているという感じだろうか。
ディスプレイはちょっと小さめの1.9インチTFT液晶でQVGAの表示に対応。カメラは2つ、318万画素CMOSにオートフォーカス対応のカメラ(背面)、11万画素CMOSの自分撮り用カメラ(前面)が入っている。背面カメラは最大16倍までのデジタルズームに対応するほか、動画撮影時に手ぶれ防止機能を使うことができる。スピーカーは上部に1つ入っていて、ステレオ再生はイヤホンのみでの対応になる。902i標準のトルカ対応Felica、プッシュトーク、そしてiチャネルに対応している。
メモリカードはメモリースティック Duoスロットを搭載した。今までのFOMAはほぼすべてminiSDカードスロットを備えていたため、ソニーのデジタルカメラやビデオカメラ、PSPなどでメモリースティック Duoを使っていない人以外は新たに用意しなければならない。しかしカメラの項目で詳しく述べるが、ぜひメモリースティック Duoを用意した方がよいと思う。対応容量はカタログ値でFOMAシリーズ最大の2GB。
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