ワシントン発--「そのiPodの音量を下げなさい」と、政治家や難聴の研究者たちが声高にはっきりと警告している。
あるいは、少なくともiPodなどの携帯音楽プレイヤーを何時間も聞き続けないことや、ノイズキャンセリング機能付きのヘッドフォンの利用を考えること、そして何と言っても、ボリュームの大きくしなくても満足できるようになることが重要だと、これらの人々は考えている。
電子機器の音が原因で聴力が低下するのではないかと心配する声は以前からあった。しかし、MP3プレイヤーをはじめ、ヘッドホンを利用する機器の売上が大幅に伸びていることから、人々が新しい種類の危険性にさらされる可能性があると、American Speech-Language-Hearing Association(ASHA)主催のプレスカンファレンスに参加した聴覚学者らは警告を発した。
聴覚学者らによると、米国時間3月14日にASHAが発表した調査結果にも、その証拠が示されているという。この調査では、成人1000名と高校生301名を対象に、音楽の聴き方について電話での聞き取り調査を行った。その結果、高校生の半数以上および成人の40%弱が、聴力低下の兆候を示す4つの例のうち少なくとも1つを経験していることが分かった。それらの兆候のなかには、耳鳴りがする、「通常」の会話をしている最中に「何?」とか「何だって?」と聞き返してしまう、テレビやラジオの音量を上げてしまうといったものが含まれる。
この調査では、必ずしも携帯プレイヤーがこうした兆候の原因であるとは結論付けていない。ただ、携帯プレイヤーが関係している可能性があると書かれているだけだ。この調査では、高校生と成人のそれぞれ40%以上が、iPodの音量を「やや大きめ」あるいは「非常に大きめ」にしていることが分かった。また、この質問を(iPodだけでなく)MP3プレイヤー全般の利用者にしてみたところ、同様の回答をした人の割合は高校生では60%、成人では約3分の1だった。
新しいプレイヤーはバッテリの駆動時間も長くなっているため、以前よりも長時間の再生が可能になっている。また、密着度の高いイヤホンが流行していることから、音楽プレイヤーと難聴の関係を改めて調査してもよい時期がきていると、パネリストらは語った。
この新しい技術が与える影響について簡単な調査を行った」と、Edward Markey下院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は、下院エネルギー・商業委員会で語った。同委員会は技術的な問題を担当している。「多数のユーザーが移動や仕事、運動の最中にヘッドホンで音楽などを聴いている。その際には、耳が耐えきれないほどの大音量で音楽を流さないようにする必要がある」(Markey議員)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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