Intelは米国時間3月14日、同社「Xeon」サーバプロセッサの低消費電力版、「Sossaman」(開発コード)を発表した。同プロセッサの消費電力は、通常版の3分の1から5分の1となっている。
予想通り「Xeon LV」と命名された同デュアルコアチップは、Xeonのほかのモデルが110〜165Wを消費するのに対し、消費電力が最大31Wに抑えられている。価格は、2GHzモデルが1000個出荷時で423ドル、1.6GHzモデルが209ドルである。
同チップは、消費電力やデータセンターの発熱を巡って深刻化する問題に対処するものとなっている。アナリストによると、Intelと競合するAdvanced Micro Devices(AMD)は、消費電力効率の良さなどを背景にサーバ市場でシェアを伸ばしているという。
Xeon LVは、モバイルPC向けのCore Duo「Yonah」プロセッサがベースだが、デュアルプロセッサ構成でも動作するよう強化されており、エラー訂正メモリ転送技術を採用している。しかし、Xeonのほかの各モデルと比較すると大きな制限がある。ほかのハイエンドモデルが64ビットであるのに対し、同チップは32ビットに過ぎない。
大半のサーバは、Xeon LVがターゲットにするローエンドモデルを中心に今も32ビットソフトウェアを運用しており、64ビットアドレッシングで可能になる大容量メモリも不要なため、実際にはこれが大きな欠点となることはない。
しかし、x86サーバのトップベンダーであるHewlett-Packard(HP)が第1世代のXeon LV採用マシンの製造を見送ったのは、32ビットデザインが理由の1つだ。これに対し、IBMは逆の判断を下し、同チップを「BladeCenter」シャーシ用のブレードサーバに搭載した。HPも、通信市場向けにはXeon LVを採用して複数の専用マシンを開発している。
いずれにせよ、64ビット版の登場も間近に控えている。先週開催されたIntel Developer Forum(IDF)でIntel幹部らが語ったところでは、同社は「Woodcrest」Xeonをベースにしたよりパワフルな低消費電力版の後継チップを第3四半期に発売するという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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