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スパイウェアをめぐる戦いが混戦模様

文:Joris Evers(CNET News.com)
翻訳校正:坂和敏(編集部)
2006年02月21日 20時27分
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 ワシントン発--現在4つの団体が、コンピュータの画面上にポップアップ広告を表示させたり、PCユーザーのネット上での行動を追跡する悪質なソフトウェアの撲滅を目指している。だが、4つというのは少し多すぎないだろうか。

 アドウェアやスパイウェアの撲滅を目指す団体としては、これまで「Trusted Download Program(TDP)」と「Anti-Spyware Coalition(ASC)」(ともに昨年結成された)の2つがあったが、先月新たにウイルス対策企業の業界団体「Spywaretesting.org」と、2つの大学が運営する「StopBadware.org」が設立されたことで、現在その数は4つになっている。

 米国時間9日にワシントンでAnti-Spyware Coalition主催のイベントが開かれたが、参加者らの間では新団体の話題で持ちきりだった。彼らは、団体の数が増えたことが好ましいかどうかについて、さまざまな意見を口にしていた。いずれの団体も、悪質なソフトウェアに対処する消費者に力を貸すことを目標としていることから、やがて団体間で衝突が発生すると予測する者もいれば、お互いが牽制し合うことでこの大義の実現に役立つという者もいた。

 「われわれのように、なぜこれほど多くの団体が存在するかがさっぱりわからない者は多い」 と、Sunbelt Software社長のAlex Eckelberryは言う。スパイウェア対策ツールを開発する同社は、独立を維持するために、いずれの団体にもまだ参加していないと、Eckelberryは説明した。

 Pew Internet & American Life Projectが昨年発表した調査の結果によると、米国ではおよそ5900万人の成人が使うコンピュータが、スパイウェアかアドウェアに感染していたという。また別の専門家は、消費者の使うPCの約80%が悪質なソフトウェアに感染していると指摘していた。

 Microsoftは、ASCに参加しているが、同社でスパイウェア対策レスポンスコーディネーターとして働くEric Allredは、複数の団体が存在することで、各グループの取り組みの効果が薄れてしまいかねず、ひいてはそれが消費者を保護するという全体の目標に悪影響を及ぼす可能性があると述べた。

 しかし、団体の数が増えることに悪影響はないと、Canadian Internet Policy and Public Interest Clinic顧問のDavid Fewerはいう。このオタワ(カナダ)の消費者擁護団体は、ASCと協力関係にある。「消費者の啓蒙活動が増えるのは好ましいことだ。私はこれらのグループが互いに矛盾のないメッセージを発していると考えているが、そうした場合にはとくに好ましい」(Fewer)

 4つの団体はいずれも異なる目標を掲げているようだと、Computer Associates Internationalのセキュリティ管理担当ディレクター、Tori Caseは述べている。同氏によると、各団体の目標には重複する部分もあるが、この目標の違いのおかげで各団体は互いの領域を侵さずに済むはずだという。

 「それぞれの目標が異なるため、焦点を合わせる分野が明確になる。大きな組織では焦点を見失い、そして利害の対立を招くおそれがある」(Case)

各団体の取り組み
スパイウェアとアドウェアの撲滅に取り組む4つの業界団体は、異なる方針を掲げているが、それぞれの施策には重複する部分もある。

Anti-Spyware Coalition
2005年の半ばに設立。同団体はスパイウェアの定義、共通用語集、そして開発したソフトウェアがアドウェアもしくはスパイウェアでないことを法廷で訴えるための上訴手続きの策定に取り組んでいる。メンバーにはMicrosoft、Symantec、Computer Associates、McAfee、AOL、Yahooなどが名を連ねている。CNETNews.comの関連サイトであるCNET Download.comも参加。

Trusted Download Program
11月に始動した同プロジェクトは、認証制度を利用してアプリケーションが開示した動作内容通りに機能することを保証することを目標としている。America Online, Yahoo, CNET Networks, Verizon、Computer Associatesの各社が支持。

StopBadware.org
コミュニティに焦点を置いたプロジェクトで、悪質な違反者と判断された企業およびソフトウェアのブラックリストを公開することを目指している。Google、PCメーカーのLenovo、Sun Microsystemsの各社が支持。

Spywaretesting.org
ウイルス対策企業の業界団体により先月始動したプロジェクトで、スパイウェアのサンプルおよびテストの標準を確立することを目指している。また、消費者が新規ソフトウェアの危険性やスパイウェア対策製品の有効性を判断するのにも役立つとしている。メンバーにはMcAfee、Symantec、Trend Micro、ICSA Labs、Thompson Cyber Security Labsが名を連ねている。

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