レーダー信号処理や医療画像処理向けのハイエンドコンピューティングシステムを開発するMercury Computer Systemsが、「Cell」プロセッサ搭載ブレードサーバを発売する計画だ。
Cellプロセッサ搭載ブレードサーバについては、IBMも投入する予定だ。しかし、MercuryにとってIBMは、競合会社ではなく、ビジネスパートナーである。
Mercuryの戦略マーケティング/提携担当バイスプレジデントJoel Radfordは、「IBMが発表したブレード製品は、IBMとの1年以上にわたるコラボレーションから直接生まれたものだ。この製品に対する同社営業部隊の全面的バックアップに非常に期待している」と語っている。同氏は、提携の詳細な条件を明らかにすることは避けたが、IBMがブレード製品を販売することでMercuryが利益を得ることを明らかにした。
IBMは先週、自社のCellブレードを第3四半期に出荷すると発表した。ブレード製品は、同社の「BladeCenter」シャーシに搭載されることになる。各ブレードにはCellチップがデュアルで搭載され、Cellチップごとにメインの処理コアと、それを補完する8基の専用エンジンが搭載されている。ソニー、東芝、およびIBMによって共同開発された同チップは2006年、ソニーおよび東芝の高品位テレビや、ソニーのPlayStation 3に搭載されて出荷される予定だ。
Radfordは、ほかのプロセッサと比較して「消費電力が非常に高いが、チップ1個でこなせる処理がはるかに多い」と語っている。
Radfordによると、Mercuryはテスト用システムを軍および民間企業に既に複数販売しているが、商用品質にある初のCellブレードも6月末までにリリースする計画だという。さらに、2007年初頭には、無骨だが堅牢な「PowerBlock 200」というデバイスを戦車などの軍事用途向けに、「Turismo」(開発コード名)というシステムをハイパフォーマンスのデスクトップワークステーションやデータセンター向けに投入する。
Turismoは、CADやデジタルアニメーションの作業に有用だが、「Mercuryにとって馴染みの薄い分野」(Radford)なため、まだその販売戦略を検討中だ。
さらに同社は、「複数の標準規格製品」も今夏に発表する計画だが、同氏は詳細を明らかにしなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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