昨年12月19日、NEC、富士通、東芝の3社は一斉に「ノートPCの2006年春モデル」を発表した。NECと富士通は同様に、デスクトップパソコンについても新モデルを発表。1月頃から販売される「春モデル」は、例年、年明けに発表されてきたが、今回は12月に前倒しされ、しかも一部モデルは年末の慌しい最中に発売された。この前倒し戦略の影響が、週替わりのトップ交代劇や、わずか数%のシェア争いとなって、早くも「BCNランキング」に現れている。直近のランキングをもとに、ここ数週間の動きを追ってみよう。
●年明けは05年秋冬モデル一色、しかしトップは唯一の春モデル、東芝「AX」
パソコンの新製品発表のタイミングは年3回。それぞれ発表されるのは春モデル、夏モデル、秋冬モデルだ。例年、春モデルは1月から2月にかけて発売され、春の新入学・就職シーズン時期に販売が本格化する。夏モデルはゴールデンウイーク明けの5月頃、秋冬モデルは9月頃に発売され、それぞれ店が活気づくボーナスシーズンがピークだ。一方、デルやエプソンダイレクトなど、ネット通販が主体のメーカーは、こうしたタイミングにはあまりとらわれない。低価格をウリにする、いわゆるショップブランドのPCも、季節を問わず新モデルが投入されている。
こうした状況のなか行われた「春モデル」の前倒し。その結果、年末年始の店頭には「05年秋冬モデル」と一緒に、発売されたばかりの「06年春モデル」も並んだ。新旧モデルが同じ売り場に並ぶことで「食い合い」が起こって売れ行きが落ちたり、大幅に値崩れするのではないか……そんな懸念もあった。しかし、年末から年始にかけての売れ筋のほとんどが05年秋冬モデルだった。
しかし、唯一順位を上げてきたのが、東芝の「dynabook AX」シリーズの新モデル「PAAX740LS」。12月28日の発売にもかかわらず、12月最終週(05年12月26日-06年1月1日)の集計で5位、さらに翌週は2位にランクアップし、1月第2週で初の1位を獲得した。直近の1月第3週(1月16日-1月22日)では惜しくも2位に後退したが、トップとのシェア差はわずか0.1ポイントの接戦を演じている。
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