経営再建中の三洋電機は二十五日、創業家の井植敏・代表取締役兼取締役会議長(73)が経営悪化の責任をとり辞任し、最高顧問に退くと正式に発表した。
留任する野中ともよ会長(51)と井植敏雅社長(43)がそれぞれ兼務しているCEO(最高経営責任者)、COO(最高執行責任者)の役職を廃止することも決定した。いずれも二月二十四日開催予定の臨時株主総会で正式に決定する。
また、優先株による三千億円の第三者割当増資について、同日付で主力行の三井住友銀行、大和証券SMBCグループ、ゴールドマン・サックス(GS)グループと基本合意した。
増資を機に、引受先の大和証券SMBCグループ、GSグループから各二人の役員が取締役に就任する予定。これにより三井住友銀行出身で昨年十一月に三洋電機の副社長に就任した前田孝一氏(57)とあわせ、九人の取締役のうち五人が増資引受先企業出身の取締役となる。
同日、大阪府守口市の本社で会見した前田副社長は「(井植敏氏の辞任の)申し出は本人からあった。今後は野中会長、井植敏雅社長を中心に取締役会が一致団結して三洋復活を果たしたい」と述べた。
三洋はデジタルカメラや半導体事業の業績不振などで、二〇〇六年三月期連結最終赤字予想が二千三百三十億円となり、連結自己資本比率は3・9%に急低下する見通しだった。増資後は16−17%となる見込みで、財務体質の強化を図るとともに、来年度以降の設備投資やリストラに充てる資金も確保。再建を早急に軌道に乗せたい考え。
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