ジャーナリストでオンラインゲーム「Ultima Online」の熱狂的ファンであるJulian Dibbellは2年前、極めて公共性の高い挑戦を行った。
Dibbellは当時のブログの中で、「2004年4月15日に、私は、自分の主な収入源が仮想グッズの売上であることを米国税庁(IRS)に正直に報告する」とし、さらに、「毎月、仮想グッズ販売により、プロのライターとして過去に得たことのない高額の収入を得ていることも報告する」と記している。
同氏は以前、オンラインファンタジーゲーム「Ultima Online」の中で集めた武器や通貨などのグッズを現実世界の他のプレイヤーに販売することで利益を得られると考えていること、および、その事実をIRSに報告したいと考えていることの2点を公言していた。しかし結局、同氏の個人的な挑戦は中途半端な形で終わってしまった。実は、彼の執筆業の収入が仮想グッズ販売の売上収入を上回ってしまったのだ。
現在、Legal Affairs誌の最新号に掲載されているDibbellの記事をきっかけに、仮想世界コミュニティの中で、ある新たな問題をめぐる議論が巻き起こっている。それは、オンラインゲームプレイヤーの財産、すなわち、彼らがゲーム内で集め、まだ現実の世界で売却していない武器、キャラクター、装備品などを課税対象とすべきか否かという問題だ。
Dibbellのエッセイの冒頭には以下のような記述がある。「Ice Dungeon近くのArctic Ogre Lordとの戦闘にうっかり長時間を費やしたり、IRSの発行物を読んで時間を無駄にした経験がなければ、いつか米国政府がオンラインゲーム内で集めた仮想グッズに課税する日が来るか否かなど考えたこともないだろう。真の問題は、なぜいまだに仮想グッズに対する課税が行われていないのかという点だ」
この問題については、オンラインゲームについて研究しているState of Playなどの学術会議の参加者がかねてから議論してきた。
結局、eBayなどのオークションサイト上での取引を通じて、「World of Warcraft」「City of Heroes」「Star Wars Galaxies」といったオンラインゲーム内の仮想グッズの公正な市場価格が決まるため、数百万人のオンラインゲームプレイヤーが常に、総額数千万ドル、あるいは数億ドル分のデジタル資産を保有していることになる。(仮想グッズは)IRSが永遠に見過ごすことはできない標的だとして、オンラインゲームの世界で頻繁に交換/取引されている仮想グッズを、現実世界で売却される前に課税対象となる財産と見なすことができないか、という巧妙な質問を彼らは投げかけているのである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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