英国で実施されているある遠隔医療プロジェクトでは、医師が患者の状態を遠隔から把握できるようになったことで、患者の入院期間を半分にすることに成功した。
英国のカーライル市住宅協会とカーライル地区プライマリケアトラスト(Primary Care Trust:PCT)は、症状に関する情報をより多く患者に提供することで入院期間を減らし、患者の自立を促したいと考えていた。
そこで、カーライル市では、慢性呼吸器疾患の症状を監視するために遠隔医療システムを活用し、同疾患患者の入院日数を10日から5.5日に減らすことに成功した。
このプロジェクトでは患者に遠隔医療用の監視装置が配布され、患者は自分の体温、心拍数、呼吸数、心電図や血圧を測定することができる。これらの測定結果は電話回線を通して安全なサーバに送信され、医師や看護婦が利用できる電子患者記録として保存される。
同システムによって、現在英国の国民保険サービスが年間約14億4000万ドルも負担している慢性閉塞性肺疾患のような疾患を監視することが可能になった。
Tunstall Groupが提供するこの遠隔医療装置は、医師が予め設定した値から測定値が大きく外れると住宅協会に警告を送信するため、患者は安心感を得ることができる。
Tunstallによると、監視装置はとても使いやすく、35歳から82歳の患者が利用しており、そのうち94%の患者が満足しているという。
カーライルインターミディエイト・ケア・チーム(Intermediate Care Team:ICT)上級臨床部長のKay Douglasは、このサービスは患者の自立した生活を可能にするだけでなく、医師がより予防的なアプローチを採用することも可能にしており、これによって再入院が減っていると述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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