マッシュアップ--仮想空間と現実をつなぐ地図 - (page 2)

文:Elinor Mills (News.com)
翻訳校正:坂和敏(編集部)
2006年01月11日 09時00分
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 ハードウェアとソフトウェアの進化以外には、誰もが地図に情報を加えられるようになったことで、利便性が飛躍的に高まった点も、マッシュアップブームの要因となっている。

 「Gmaps Pedometer」はその好例だ。ランニングコースやウォーキングコースの距離を計算するこのマッシュアップは、すでに幅広い人気を集めている。

 「Gmaps Pedometerにジョギングのルートを書き込むと、どこで休憩をとるべきかを教えてくれる」と、Google Mapsを担当する「Google Local」のプロダクトマネージャ、Bret Taylorはいう。「このサイトはわれわれも驚くほどの人気を集めている」(Taylor)

 Gmaps Pedometerの「about」セクションにはこう書かれている。「マラソンのトレーニングを始めたとき、GPSや歩数計をぶらさげて実際のコースを走ってみなくても、コースの距離を簡単かつ正確に測る方法があればいいのにと思った。私は大勢のギークたちが、Google Mapsのハッキングに熱心に取り組んでいるのを見て、何か方法があるはずだと考えた。そうして出来上がったのがこのサイトだ」

 もともと地域性の強い不動産や旅行の分野では、特に多くのマッシュアップが登場している。この種のマッシュアップの例としては、ダブリンの通勤列車の位置をリアルタイムで伝える「Dartmaps」、飛行機のフライト状況を追跡できる「FBOweb.com」、旅行中の日記や写真を投稿し、ホテルのレビューを見ることのできる「TravelPost.com」などがある。

 「旅行愛好家のなかには、部屋の壁に世界地図を貼り、行ったことのある国に画鋲を刺して、印を付けている人が少なくない」とTravelPost.comの最高経営責任者(CEO)Sam Shankはいう。「これをオンラインで再現したかった。旅行サイトにとっては、地図が格好のメタファーになると思った」(Shank)

 住宅バブルを気にしない向きには、「HomePriceRecords.com」が役立つだろう。このマッシュアップを使えば、他人がいくらで家を買ったのかを調べることができる。また、「Trulia.com」と「HomePages.com」は、物件情報と公園や学校などの近隣情報を組み合わせた不動産マッシュアップだ。

 コミュニティや社会に焦点を当てたマッシュアップもある。集団で地図を作成/共有する「CommunityWalk.com」、ニューヨーク市の道路の穴を調べ、修復までの時間を追跡する「WeFixNYC.com」、種類、日付、場所ごとにイベントを検索できる「Zvents.com」などがこれにあたる。

 写真と地図を組み合わせたマッシュアップもある。国や地域別に写真を検索できる「SmugMaps.com」、住所をもとに通りの写真を表示するAmazon.comのA9地図サービスはその一例だ。

 「写真を撮り、それを地図に貼り付ければ、これまでのインターネットではできなかったような形で仮想空間と現実を結びつけることができる」と、CommunityWalk.comの創設者、Jared Upton-Cosulichはいう。「一般的にいって、インターネットは近くに何があるのか、近所の様子はどうなっているのかを調べるのには向いていなかった。しかし地図を使えば、こうした情報をすんなりと理解することができる」(Upton-Cosulich)

 KMapsは、Google Mapsを使って、特定の地域に関する情報(近所のレストラン、そこに行くための経路情報など)を、さまざまな携帯機器から入手できるソフトウェアを開発した。現在では、近くのデート相手を探す機能など、ソーシャルネットワーキング的な機能も追加されている。

 企業は成功した技術に群がるもので、地図も例外ではない。ほとんどのマッシュアップは、個人が他者と情報を共有するために、熱意を持って作成したものだ。一方、企業は精度の高いターゲット広告など、収益性の高いアプリケーションを構築することを目指している。

 「実用的なインターフェースとデータベースを構築できれば、特定の地域に的を絞った、文脈型の広告を配信できる」と、The Kelsey GroupアナリストのGreg Sterlingはいう。

 検索連動型の広告やキーワード広告は、ユーザーの関心に合った広告を表示できるため、ブランド告知を目的とした従来の「ディスプレイ型」広告よりも効果が高い。検索キーワードだけでなく、場所にも配慮した広告には、さらなる効果を期待できる。

 たとえば、特定の地域のレストランを検索している人は、そこで食事をしようと考えている確率が高い。地域密着型の企業が魅力を感じるのは、こうした具体的な行動予測だ。地域密着型の企業はこれまで、費用対効果が悪いという理由で、世界中のユーザーを対象とした広告には興味を示していなかった。

 The Kelsey Groupの予測によれば、ローカル検索市場の規模は今年の4億1800万ドルから、2009年には34億ドルに拡大する見込みだという。

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