ユーザーの関心事を共有するサイト「関心空間」を運営する関心空間は、第三者割当増資を行い、1億4000万円を調達する。引き受け先は、日興アントファクトリーとエヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ、アイテック阪神、イーウェーヴの4社。同時に関心空間はシステム開発やソリューションビジネスに関して、アイテック阪神とイーウェーヴと業務提携する。
関心空間はユーザーが投稿した関心事の関係性を視覚化するエンジンを開発して自社のサイトとして運営しているほか、同エンジンをASP形式やライセンス契約で事業会社に提供している。今回の増資のおもな目的は、自社サイトを中心とした同社のメディア事業の強化にある。
「昨年まではASP事業の売上げが大きかったが、今年になって(自社サイトから得られる)アドワーズのようなPPC型の広告やアフィリエイトなどの売上げが拡大してきた」(関心空間代表取締役の前田邦宏氏)
このため、自社が運営するサイトを強化することで、メディア事業を主体としたビジネスに転換していくという。具体的には、CGM(コンシューマ・ジェネレイテッド・メディア--ユーザー投稿型のメディア)としての広告商品の開発や、APIの公開などに着手する。
また、他の事業者とともに関心空間を使った特定テーマの専門メディア化も進めるという。他事業者へは、ASP形式やライセンス提供によって有償で関心空間のプラットフォームを提供しているが、専門誌を持つ出版社などメディア価値を持つ事業者には、サイトの運用ノウハウなども含めて提供することで、広告収入を折半するような協業環境を作りたいとしている。
現在、関心空間のサイトに登録しているユーザーは2万8000人程度。一方、サイトに訪れる月間ユニークユーザーは100万人だという。いままでは、登録ユーザーに対しての機能を提供してきたが、今後はサイトを閲覧するユーザーにとっても、濃い体験ができるようなサイトにしていきたいと前田氏は語る。
なお、新機能などについては順次追加していくが、来年4月に今回のメディア事業強化の具体的な形として、関心空間サイトのリニューアルを予定している。
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