清水建設(野村哲也社長)は建物や周辺施設から情報をセンサーで取得し、屋内・外を自由に移動できる「車いすロボット」を開発したと発表した。すでに福岡市内の施設で実証実験を行っており、建築物やICタグなどとの組み合わせを進め、06年秋頃をめどに実用化を目指す。実用化の際の価格は未定。
「車いすロボット」は移動する環境を認識用の「レーザレンジセンサー」、建物や周辺施設などから情報を取得用の「ICタグアンテナ」、障害物検知と追随移動用の超音波センサーといったセンサーシステム、車輪駆動用の制御装置、緊急停止装置などを搭載。市販の電動車いすをベースに開発した。
「自動」「追随」「手動」の3つのモード設定が組み込まれており、「自動モード」は、周囲の建物、壁、塀などに埋め込まれたICタグの情報やレーザレンジセンサーで検知した移動経路の情報などを使って道路や壁に沿って自動的に移動する。「追随モード」では、超音波発信機を持った人間の後を追って移動し、「手動モード」は、乗車する人間が操作することで移動する。
開発したロボットは福岡市の「ロボット特区」事業を利用し、同市東区のアイランドシティで実証実験を行った。実験では基本動作や安全性の確認のほか、公道でのデータ収集や各モードの走行機能を検証。センサーやロボットのプログラムの性能、ロボット運用に必要となる建物の設備条件などを確認した。
清水建設では、実験結果をもとに実用化に向けロボットの改良を進める。実用化と同時に、病院や介護施設における高齢者介護システム、オフィスでの配送システム、空港の荷物カートやスーパー、デパートの買い物カートシステムなどへの応用も進める計画。
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