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時代遅れのシステムに足を取られる国土安全保障省--搭乗客4500人に影響する障害も

Anne Broache and Declan McCullagh(CNET News.com)2005年12月16日 12時56分
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 米国国土安全保障省のコンピュータがクラッシュし、数千人に上る航空機搭乗客が空港の入国審査場で思わぬ足止めを食らうという事態が、2005年8月に起きた。

 その日マイアミ国際空港では、4500人ほどの旅行者がいらだちを抱えながら、すし詰めの部屋の中でひたすら時を待っていた。空港職員は、身分確認用コンピュータの復旧を待ち続ける人々に水を配り、子どもには塗り絵とクレヨンを与えた。

 同空港の広報担当Greg Chinは「異例の出来事だった。コンピュータがダウンしても、通常は30分以内に復旧していたのだが」と語る。

 この障害によって、バージニア州にある政府の入国管理用メインデータベースへのアクセスが不能になり、多数の国境検問所に影響が及んだ。国土安全保障省は、旧米国移民帰化局が担っていたおびただしい業務の再編に骨を折っているが、この事件は同省が取り組む当該の問題を改めて浮き彫りにするものだった。

 同省はきわめて困難な問題に直面している。同省が管轄する移民局(USCIS)の裁定を待つおよそ100万人分の未処理作業を行うのは、古くなった互換性のないシステムや時代遅れのプロセスだ。また、同省入国・税関取締局のコンピュータに問題があり、学生ビザの所持者が留置場に入れられたり、アメリカへの入国を拒否されたりして混乱を招いたこともあった。

 民間のアナリストや政府監査組織などは、あいかわらず紙の書類を併用して作業が進められていることを考え合わせると、USCISのシステムは公共サービス業務にはまったく適さないと批判している。例えば、USCISのシステムでは、あるコンピュータに入力された情報を、2台目、3台目のコンピュータに再度手入力しなければならない場合があるという。

 American Immigration Lawyers Associationのプログラム担当官Crystal Williamsは、「あらゆる情報が紙に記載されており、これをコンピュータにタイプして入力しなければならないことから、エラーが起きる可能性が高まったり、処理速度が低化したり、一部のプロセスの自動化が妨げられたりしている」と述べた。

 USCISは過去2年にわたり、未決案件数を削減するための「残務処理」に取り組もうと2億8000万ドルの予算を計上しているが、その大半は人件費に消えてしまった。コンピュータのアップグレードに費やされたのは、全体の2%に当たるわずか450万ドルだったという(国土安全保障省の2006年度予算は合計で308億ドルとなる見込み)。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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