iPodの一連のコマーシャルには、いったいいくらかかっているのだろうか。
Apple Computerが、前会計年度にあわせて2億8700万ドルの広告費を計上していたことが明らかになった。米国時間12月1日に米証券取引委員会(SEC)に提出された同社の年次営業報告書によると、同社の広告費は前年度の2億600万ドルから約40%増加したという。ちなみにさらに前の年度の広告費は1億9300万ドルだった。
この広告費は膨大な金額ではあるが、General MotorsやFord、Procter & Gambleといった大口の広告主が使う数十億ドル規模の予算に比べるとはるかに少ない。
また、ハイテク企業としてもかなりの金額だが、AppleではiPodを中心に売上が急激に増加している。前会計年度におけるiPodの売上は前年比3倍以上となる45億ドルに上っている。
Piper JaffrayアナリストのGene Munsterは、「彼らの広告に関するコストパフォーマンスは素晴らしい。クールなイメージづくりには、クールな広告を出すことが重要だ」と語っている。
しかしMunsterによると、Apple製品は口コミでも売れるという。「広告キャンペーンをこれだけ活用できるのは、だれもが話題にしたがる製品を出しているからだ」(Munster)
Appleは、宣伝費の大幅増加に加え、調査費や設備投資も増やしている。同社は今年3億9000万ドルを設備投資につぎ込む予定だ。この金額は昨年の2億6000万ドルから50%増となるが、同社は昨年設備投資のほとんどを小売店の展開に費やしていた。また、昨年の研究開発コストは前年比9%増の5億3400万ドルだった。
市場調査会社Current AnalysisのアナリストSam Bhavnaniは、「Appleが引き続き技術革新を重視していくことは明らかだ」と語っている。
AppleがSECに提出した書類には、各種の訴訟問題に関する最新情報も記載されていた。同社は現在、Apple Corps(Beatlesのレコードレーベル)との裁判をはじめ、係争中の訴訟を多数抱えている。Apple対Apple裁判は、3月最後の週に英国の裁判所で審理予定となっている。
また、同社はMac OS X 10.4での「Tiger」使用をめぐって4月にAppleを提訴したTiger Directと和解したことも明らかにした。Appleはこの書類のなかで、「両社間で和解が成立したが、この和解が財務状態や営業成績に重大な影響を与えることはない」と述べている。
Appleの関係者から詳細なコメントを得ることはできなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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