Cellプロセッサを共同で開発する3社が、同プロセッサの人気獲得を狙ってソフトウェア開発キット(SDK)をリリースした。
このキットには、CellチップをLinuxアプリケーション向けに最適化するための拡張機能などが含まれており、1000ページを超える解説文書が付属する。
CellプロセッサはIBM、ソニー、東芝が共同開発したもので、通常のプロセッサに比べて、複雑でグラフィックを多用したアプリケーションの処理に適した設計になっている。同チップはPowerPCのコアを採用しているが、音声や映像関連のタスク処理用に8種類のヘルパープロセッサも含まれている。
ソニーはCellプロセッサを「PlayStation 3」に搭載する計画で、一方東芝はこれをテレビに利用していく。
3社はCellプロセッサの派生物が登場し、携帯電話からスーパーコンピュータまで、さまざまな用途に利用されることを期待している。今年初めにはMercury Computer SystemがCellプロセッサを自社ワークステーションに搭載することで合意したが、これは3社以外の企業による初めての採用となった。
Cellプロセッサは、その長所が大々的にうたわれているものの、これを市場に受け入れさせるのは簡単ではなく、今回のSDK公開もそのための取り組みといえる。Cellプロセッサに懐疑的な向きは、同プロセッサよりも馴染みのある高性能マイクロプロセッサが市場にたくさん出回っており、携帯電話機メーカーなどの各社ではすでにそれらを選択していると述べている。
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