情報処理推進機構(IPA、藤原 武平太理事長)は10月6日、2005年9月および05年第3四半期(7−9月)のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況を発表した。
05年9月のコンピュータウイルス検出数は約323万個で、8月の約337万個から4.2%の減少となった。一方、ウイルス届出件数は8月の4470件から4723件へ、5.7%増加した。IPAでは、検出数の多くを占める「W32/Netsky」「W32/Mytob」の総検出数が減少したものの、新種のウイルスが相次いで出現し、ボットの機能をもつウイルスや、スパイウェアなどの不正プログラムが多数出回ったことから届出件数が増加したとみている。
IPAに9月に初めて届出のあったウイルスには、Windows XP環境で動作し、パソコンを起動できなくする機能を備える「W32/Yami」、システムファイルまたはレジストリを改変し、パソコン起動時にウイルスが実行されるようにする「W32/Kipis」「W32/Magflag」、ボット機能など備えた「W32/Raleka」などがあった。
9月の不正アクセス届出件数は31件で、そのうち被害にあった件数は16件だった。被害届出の内訳は、侵入8件、ワーム感染、DoS攻撃、アドレス詐称、その他が各2件。侵入8件のうち、SSHで使用するポートへの攻撃が原因であったものが5件を占めている。また、相談の中には、アダルトサイトを閲覧した後に「振り込め」というメールを送りつけられる、いわゆる「ワンクリック詐欺」の事例が、先月に引き続き多数あった。
05年第3四半期については、ウイルス検出数、ウイルス届出件数ともに第2四半期に引き続き、高水準で推移している。検出数は約1039万個、届出件数1万3729件にのぼる。不正アクセス届出件数は合計125件で、第2四半期の166件から約25%減少した。しかし第3四半期の届出状況から、家庭ユーザのPCを含めたあらゆるコンピュータへの無差別な攻撃、Webサーバーに侵入され、他サーバーへの攻撃の踏み台に使われる被害が増えつつあると指摘する。
IPAでは、ボットやスパイウェアに侵入されていないか、ウイルスに感染していないか、「少なくとも週1回はウイルス検査を行い、感染の有無を確認する」ことを勧めている。また、セキュリティホールを事前に解消しておくことで被害に遭う可能性を低減することができるため、Microsoft Updateを行うなど対策も継続して実施するよう呼びかけている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」