「PlayStation Portable(PSP)で自作ソフトを動かせる」といううたい文句のトロイの木馬が出てきたが、実際にこれを使うとPSPが使いものにならない「ただの箱」になってしまう。
Symantecが「Trojan.PSPBrick」と名付けたこの悪質なプログラムは、PSPをハッキングして正式なゲームカートリッジのほかにカスタムアプリを動かそうとするマニアをターゲットにしている。
この新しいトロイの木馬は、ソニーがハッキングを困難にするために出した新しいファームウェアをインストールしたPSPを、アップグレード前の状態に戻せるとしている。だが、実際にはこれをインストールすると重要なファイルが削除され、PSPが動作しなくなってしまう。
Symantec Security Responseの主任ソフトウェアエンジニアEric Chienは、「要するに、(PSPが)完全に動作不能になり、使えなくなってしまう。この手口は『ブリッキング』と呼ばれるものだ」と語っている。
だがChienによると、PSPユーザーの大半は自分のマシンを改造しようとは思わないので、このプログラムが幅広いユーザー層に影響を与える可能性は低いという。
「PSPの購入者全員が影響を受けるわけではない。自分のPSPを『改造』もしくはアップデートしようとする人だけが影響を受ける」(Chien)
PSPは3月に発売され、大半のユーザーは、Linuxを動かすためではなく、ゲーム、音楽、あるいは映画を楽しむために先を争ってこれを購入した。また、ソニーは8月にウェブブラウザ機能も追加している。
Chienによると、攻撃を受ける可能性の高い人は多くないが、その結果失うものは大きいという。
「これを動かしたために貯金が300ドルほど減った人が確実にいる」とChienは述べ、これはウイルス作者がPC以外のデバイスも狙っているしるしだと付け加えた。「あらゆる種類のデバイスを対象にして、悪質なコードが書かれている」(Chien)
ソニーの関係者からコメントを得ることはできなかった。同社では、自作コードを動かすとPSPの保証が無効になるとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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