京セラは10月8日まで幕張メッセで開催中のCEATEC JAPAN 2005において、ワイヤレスブロードバンドシステム「iBurst」の実験を公開している。
iBurstは下り最大1061bpsの通信速度で、多数のユーザーによる同時接続でも高い安定性を誇るワイヤレスブロードバンドシステムだ。周波数帯は1.7〜2GHz帯を利用する。会場では実際に会場の端に出力アンテナを置き、200メートルほど離れたブースで電波を受信するデモンストレーションをして来場者にその性能を実証していた。
デモンストレーションでは、通常のストリーミング配信において21台に振り分けた動画を一斉に描画させたり、音声と映像を同時に配信するテレビ通話システムを稼働させたりして、現段階で十分活用できることを実証した。また、Wi-Fiアクセスポイントとの併用状態からiBurst単独に接続を切り替えた場合も問題なく、高い安定性をみせていた。
上:iBurst PCMCIAカード 下:iBurstターミナル |
そのほか、高速で移動する車内などで音声通話を行うこともできるといい、ブースではテスト時の模様をビデオで紹介。時速60〜90kmで高速道路を移動していても音声通話ができ、基地間で生じるハンドオーバーもスムーズにできることを示していた。
実際にiBurstを利用するにはサービス基地局エリア内で「iBurst PCMCIAカード」か「iBurstターミナル」を使うことになるが、こちらもコンパクトで既存のPCカードやターミナル機器と同じ程度のサイズだ。これらの導入に際してもOSなどの設定は容易だという。
この技術はオーストラリアのほか、4月1日には南アフリカ共和国でも商用サービスが開始されている。9月14日には米国規格協会「ANSI」で標準規格として認定され、アメリカでも実用段階に入っている。
気になる日本での商用化だが、こちらは総務省の認定待ちとなっている。これだけユーザーの注目が集まっており、なおかつ需要も高いことが予想される技術だけに、早期の決定を待ちたいところだ。
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