「以前のLEGO Factoryなら、400〜500ドルもコストのかかった、ファンの手によるモデルがたくさんあっただろうが、これはバッグに入ったブロックが有効に活用されなかったためだ」とMalecは言う。しかし、(LEGOの提供するデジタルパレットではなく、代わりに)バッグ単位で注文できるようになっていたら、たぶんユーザーは異なる判断を下していたかも知れない。おそらく、1ピースしか使わないのにバッグを丸々1袋買うようなことはせず、別のバッグを選んだかも知れない。
Malecらのこの取り組みにより、LEGOのカスタムモデルの価格が下がる可能性が高い。だが、それにもかかわらず、LEGOはこの動きに対して非常に前向きな反応を示してきている。
「大人のファンらは、LEGO Factoryの公開から数日のうちに、これらのバッグがどう組み合わされているかを見つけだした」とLEGOのRonny Scherer(同社インタラクティブ・エクスペリエンスグループ、シニアプロデューサー)は言う。「われわれには、どうやってそれを調べだしたのかがわからなかった。われわれは完全に不意を突かれた。非常に素晴らしいと思う」
Schererの説明によると、LEGOは同社のシステムをユーザーに利用させることに関し、難しい舵取りを迫られているが、それでもユーザーが必要に応じてツール類を変えられるようにすることには価値があると考えているという。
「われわれは、自社のソフトウェアにユーザーが変更を加えるという考えを受け入れ、実際にそうするよう勧めている」と同氏は述べた。「わが社の製品には膨大な数の大人のファンが存在する。そのため、ファンの人々が自分の必要に合わせて変更できるようなソフトウェアをつくった場合、われわれはそれをサポートしていく」(Scherer)
このように、ファンのコミュニティによるソフトウェアの改変を支持してきているLEGOだが、その一方で同社がユーザーに対しこの立場を明確に伝えてきていないのは不思議なことだと、Malecや他のユーザーは指摘している。ただし、彼らは自分たちが同社にある力を覆していないことにかなり自信を持っている。
「彼らからは何の連絡も来ていない」とMalecは言う。「何も否定的なものは目にしていないので、彼らがこれに目をつぶっているのだと、私は勘違いしていた」(Malec)
しかしLEGOは、ユーザーコミュニティがこれほど素早く反応するとは予想していなかったものの、Malecなどが行ったソフトウェアの改変は同社のより大きな計画に合致していると述べている。
「われわれにとって、ユーザーがこうしたハッキングをしていることは、とくに驚きではない。なぜなら、それこそわれわれの望んでいたこと--つまりファンがわれわれのしていることの中核部分を引き受け、このシステムを自分たちのために所有するようになることを望んでいるからだ」と同社のJacob McKee(グローバルコミュニティリレーションズ担当)はいう。「われわれは、さらに多くのコンテンツや開発ツールをリリースし、今後もこのプロセスを支援していきたい。ユーザーが本当にこれに飛びつき、われわれがまだ考えついてもいないことを始めてほしいと願っている」(McKee)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
パナソニックのBioSHADOWが誘う
心地良い室内空間のつくりかた
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス