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マイクロソフトが直面する10年越しの「悪夢のシナリオ」 - (page 2)

Jim Kerstetter and Elinor Mills(CNET News.com)2005年09月26日 15時03分
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 Googleは今日、Microsoftのやり方を真似して、IT業界を支配しようとしている。同社は、長い間Windows向けのプログラムを開発してきたサードパーティーベンダーを自陣営に取り込もうとしている。Googleのインターネットサービスをウェブアプリケーションの一部に組み込み始めた開発者も増えている。Googleはまた、音声認識技術の専門家であるKai-Fu Leeなど、Microsoftの主要な人材を引き抜いており、元Microsoftの天才プログラマーAdam Bosworthも、BEA Systemsを経て同社に入社している。

 Microsoftは、Clayton Christensenが著書「innovator's dilemma」で論じた典型的な例に直面しているように思える。同氏はこの著書のなかで、IT業界の大手企業が次の技術革新の波に乗り遅れる理由を説明した。Microsoft幹部はその当時正しいと思われる決断を下した。その決断の結果、売上が大幅に伸びた。しかし、中核製品であるWindowsはますます大規模で複雑なものになり、新しいバージョンを出荷する作業はますます困難になっている。

 この成功の重荷が、次世代の技術革新に対応することをさらに難かしくしている。はるか昔には、MicrosoftとAppleがIBMの存在を脅かしたことがあった。これに対し、現在はGoogleが安価で使いやすい代替技術を提供することで、Microsoftを脅かすチャンスを手にしていると一部の人々は考えている。「Microsoftはかつて下の方から(上位にいるライバルを)攻撃していたものだった」とある元幹部は言う。「ところが現在では、Microsoftが下からの攻撃を受けており、同社にはそれに対処する方法が分からない」(同幹部)

 Microsoftの組織再編は、Steve BallmerとBill Gatesがこの脅威をどれほど深刻に受け止めているかを示すものといえる。たとえ彼らが正確にそう言わなかったとしてもだ。「われわれは蜜月の段階にある企業と競合したことも何度もある。しかしGoogleの蜜月は、私の知る限り、最も大規模なものかもしれない」と、GatesはCNET News.comとのインタビューのなかで述べていた。

 それでも、MSNが新たな重要性を獲得したことにより、MicrosoftがこれまでになくウェブプラットフォームをWindows OSに近付けることを重視していることがはっきりしたとアナリストらは言う。

 MSNには、Windowsには決してなれないものになれる可能性がある。それは、開発者がすばやくコードを書き、それを配布できるようなプラットフォームだ。従来のソフトウェアではパッチやアップデートを配布するのに数週間もかかるが、MSNを使えばそれが一晩でできる。それに対し、2001年に登場したWindows XPの後継OSが公開されるのは、来年の予定だ。

 実際に、MSNはすでにWindowsのさまざまな機能をリリースするための手段として使われていると、Directions on Microsoftの調査担当ディレクターであるRob Helmは言う。たとえば、Windows Vistaに盛り込まれる検索サービスは、「MSN Desktop Search」としてすでに公開されている。加えて、Internet Explorerの新版で実装されるタブブラウザのような機能やフィッシング対策技術も、まずはMSNを通じてリリースされたとHelmは付け加えた。

 Microsoftの幹部らはつい最近まで、Internet Explorerの新バージョンは次期Windowsと切り離せないかたちで投入すると述べていた。しかし、Microsoftは同ブラウザの最新版をWindows Vistaに先だって公開することで、後発のFirefoxブラウザに遅れを取らないようにしようとしていると、一部のアナリストは考えている。

 「MSNはWindows開発部隊の成果を公開するチャネルに少しずつなってきている。これらは、そうでなければ同部門にあるどちらかというと難しい配布プロセスに邪魔されて世に出なかったはずのものだ。このプロセスは従来のセールスチャネル経由によって減速される可能性のある」(Helm)

 もちろん、Microsoftがすぐにも崩壊するというわけではない。OS市場を独占するWindowsやOfficeスイート、電子メールシステムのExchangeから、Microsoftはこの問題を修正するための金をふんだんに得ている。そして、IT分野の大手企業が一晩で消えてなくなるというわけでもない。実際に、IBMは何度かの失敗を経て、いまではサービス関連の王者に生まれ変わっている。

 しかし、MicrosoftがIT分野で10年以上にわたって行使してきた強力な支配力が、ついに弱まり始めているといっても間違いないだろう。PC以外の機器をつかってネットにアクセスするウェブユーザーがますます増えている。そして、Googleはこれまでに他に(Netscapeさえもだ)なかったようなやり方で一般大衆の想像力を捉えている。

 いま出回っているメモからは、Microsoft幹部らがGoogleの影響をよく認識していることが伺える。 The Wall Street Journalによると、このメモには「Googleはインターネット上でMicrosoftの立場を脅かしており、同社を既存の配信チャネルから閉め出して、Windowsの価値を減少させる可能性がある」と書かれているという。このメモによると、Microsoftは膨大な費用をかけてGoogleに追いつこうとしているという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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