日本の標準時を維持、管理する独立行政法人情報通信研究機構(NICT)は9月7日、2006年1月1日にうるう秒調整を実施することを発表した。うるう秒の挿入は1999年1月1日以来7年ぶりとなる。
約50年前まで時刻の決定には、地球の公転、自転に基づく天文時(UT1)が使われていた。しかし、現在では原子の振動を利用した高精度な原子時計をもとに時刻を決定している。規則正しい原子時計と地球の自転に基づく時刻では差があるため、その差を0.9秒以内になるように、原子時計の時刻に1秒だけ調整した時刻を協定世界時(UTC)とし、世界の標準時として使用しているが、今回その差が0.9秒に近づいたためうるう秒を挿入し、標準時の調整をする。
うるう秒調整では、2006年1月1日、午前8時59分59秒と午前9時00分00秒の間に「8時59分60秒」を挿入する。
NICTは、電波時計などに時刻情報を提供している標準電波、放送局などに向け電話回線で時刻情報を提供するテレフォンJJY、ネットワークを利用しコンピュータの時刻合わせに利用するNTPサービス、タイムビジネスに向けた時刻情報提供サービスなどの各種日本の標準時サービスについて、うるう秒を正しく調整して時刻を提供するとしている。
総務省は「かつての2000年問題のように大きな問題ではないが、ネットワークやコンピュータを間違いなく運用するためにはうるう秒を知っておくことが重要。NICTと共にうるう秒の周知に努める」としている。
うるう秒についてはNICTのホームページ(うるう秒に関するQ&A)で詳しく解説されている。
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