新しいネット広告表示測定の導入を進める--ヤフー井上社長 - (page 2)

西田隆一(編集部)2005年09月09日 17時54分

--ここ最近、モバイルに関連した課金プラットフォームやEコマースへの取り組みなどの発表がありました。そこで、今後のモバイルビジネスのビジョンについて教えていただけますでしょうか。

 モバイルについては結構以前から努力をしていて、2000年ぐらいからモバイルサイトのサービスを開始しています。

 サービスとしてはずっとやってきてはいるのですが、ナンバーポータビリティーが始まって、キャリアの垣根が壊れていくのを期待しているのです。それが壊れて、いまのパソコンと同じ使い勝手が実現できるといいと思うのですが、そういうところにヤフーのサービスを提供していくと、より広くサービスが出てくるのではないかと思い、改めてモバイルビジネスに対して注力し始めているところです。

--ソフトバンクが携帯電話事業に進出しようとしていますが、事業が実現した場合には、NTTドコモにおけるiモードの公式ポータルサイトのように、Yahoo! モバイルがソフトバンクの携帯電話のポータルサイトになるのでしょうか。

 可能性としてはないとはいえません。ヤフーBBと同じような形になると思います。

 要するに、ヤフーという幅広くインターネットユーザーを対象として提供する部分と、ヤフーBBというアクセスサービスのユーザーに向けてより深いサービスを提供していく部分と、その両方を今やっているのですが、もしソフトバンクの携帯電話事業と一緒にやるということになると、同じような形になっていくのではないかと思っています。

 つまり、幅広くサービスを提供していくものと、有料の会員に向けてより深いサービスを提供していくものに分かれていくと思います。ですが、まだそれについては(ソフトバンクと)話ができていなくて、どうするかは決まっていません。可能性はあると思いますが、向こうにも都合があると思いますので……。

--課金のプラットフォームを始めたのは、既存のキャリアの公式コンテンツにとらわれない、幅広い間口をコンテンツ事業者に提供するということでしょうか。

 ナンバーポータビリティーの話に戻りますが、ナンバーポータビリティーによってキャリアを変えても電話番号が同じなのは喜ばしいのですが、コンテンツの契約だとかメールアドレスだとかは“ポータブル”ではないのです。「〜@docomo.ne.jp」というメールアドレスが、auの携帯電話に買い換えると使えなくなってしまうのが、いまの問題点だと思っています。

 このため、メールアドレスについてはヤフーメールを携帯電話で使ったらどうですかというご提案を差し上げています。また、買ったコンテンツも無駄になってしまいますので、コンテンツをポータブルにしていくためには課金のプラットフォームがキャリアから離れていなければなりません。ヤフーの課金の仕組みを使って、どこかの携帯電話向けのコンテンツを買えば、その契約はほかのキャリアの携帯電話にも持っていけるということです。それで「コンテンツポータビリティー」という名前をつけて、昨年12月に発表しました。

--携帯電話向けのビジネスが発展していくうえで、どのような収益モデルを目指していきますか。たとえば、広告やEコマースやコンテンツ課金モデルなどがあると思いますが。

 モバイル広告はそれなりに売れるようになってきているようで、重要な収益源になる期待値があります。一方、ヤフーが乗り遅れている携帯電話向けの有料のコンテンツの市場は3000億円あると言われていますが、そういう収入の得方はあると思っているのですが、ヤフーでやるとどうもうまくいかないみたいなので、うまくいく人にいろいろ教わりながらやるように、提携関係を広げているのです。

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