おサイフケータイを普及させるためにNTTドコモが考えた戦略は、「おサイフケータイで街を活性化させる」というものだ。
NTTドコモは8月3日、携帯電話を使ったマーケティングシステムを開発するテックファームと、ボランティア団体のURAHARA.ORGと共同で、裏原宿でおサイフケータイが利用できるようにする「裏原宿活性化計画」を展開すると発表した。URAHARA.ORGは東京原宿にある原宿商店会と神宮前商店会が共同で設立したボランティア団体だ。
リーダー/ライターは店頭に置かれる。おサイフケータイがないユーザーも、テックファームの携帯サイトから店舗をブックマークできる
|
テックファームが開発したTOWNPOCKETというシステムを利用する。店頭に設置したおサイフケータイのリーダー/ライターにFeliCa対応の携帯電話端末をかざすと、その店舗の情報を「ブックマーク」する。ユーザーはTOWNPOCKETのアプリ上でブックマークした店舗の情報を見られるようになる。
ユーザーは事前にTOWNPOCKETに会員登録して、専用アプリケーションをインストールしておく必要がある。11月からは、店舗側が自分の店舗をブックマークした顧客に対してキャンペーン情報をメールで配信したり、割引クーポンを提供したりすることができるようにする。
おサイフケータイを利用する狙いについて、URAHARA.ORG代表の高橋嘉一氏は「裏原宿に来る人の多くは自分でPCを持っておらず、携帯電話を使うことが多い。携帯電話にクーポンなどを配信することで顧客のリピート率を上げ、裏原宿を活性化したい」とした。
TOWNPOCKETのアプリ画面。店舗情報やクーポン情報などが見られる |
リーダー/ライターはテックファームが提供する。価格は5万円程度という。参加店舗は会員データの利用料として月額数千円をテックファームに支払う。
ANAPなど、裏原宿にある153店舗がサービス開始時点から参加する。9月末には300店舗にまで拡大する。URAHARA.ORGは、今後裏原宿全体で使えるポイントプラグラムを開始する予定で、おサイフケータイにも対応させたいとしている。来店しただけでもポイントがたまるようにする予定で、顧客のリピート率向上につなげる狙いだ。
また、ドコモでは裏原宿の店舗でおサイフケータイを使って買い物ができるように、電子マネーのEdyなどの導入を呼びかけている。将来的にはドコモが開始する予定のクレジット事業にも対応してもらいたいとしている。
ドコモとテックファームは、今後同様の仕組みをほかの地域にも展開していく。「導入のしやすさを考えると、まずはショッピングモールやショッピングセンターがターゲットになる」(ドコモ)とした。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス