IBMは既存の大学向けプログラムを拡充し、複数の最先端技術研究の成果を大学が無償で利用できるようにした。
IBMは同計画を米国時間14日に発表した。このライセンスによって、学者らは同社の先端技術ウェブサイトalphaWorksで公開されている25のソフトウェア開発技術を利用したり、配布したりすることができる。
IBMの各研究開発所はalphaWordsサイトでツールを時折公開してきた。同サイトは、これまで企業内の開発者を対象に運営されてきた。従来のライセンス体系のもとでは、人々は当該ソフトウェアに90日間しかアクセスできなかった。
新しいライセンスによって、大学教授はalphaWorksからダウンロードしたソフトウェアを、授業で利用できるようになった。
この研究プログラムに最初に参加する大学はマサチューセッツ工科大学とハーバード大学である。
IBMの今回の発表は、約1年前に始まった「IBM Academic Initiative」の一環として行われた。以前は、参加者に与えられた特権は、開発ツールなどの商用ソフトウェアにアクセスできたことと、IBMハードウェアを有利な条件で購入できたことだった。
IBMが学術プログラムを展開する目的は、さまざまな標準技術やオープンソース製品に精通した多くの情報科学専攻学生を育成することにあると、IBMでデベロッパーリレーションズ担当バイスプレジデントを務めるGina Pooleは述べた。
データベースやプログラミングツールなどのIBMの基盤ソフトウェア製品ラインは、JavaやXMLのような標準技術に基づいて構築されている。また同社は、Linuxを含むオープンソースプロジェクトの支持者でもある。
「IT関連学部を希望する学生が特に米国では減少傾向にあり、業界は将来的に人材不足に陥る可能性がある。学生が必要とするものを学校が手に入れられるように、そして、卒業生が顧客の求めるスキルを持ち合わせるように、われわれは、教育機関と協力していかなければならない」とPooleは述べた。
現在では、学術機関にどのような支援策を提供するかが、企業のIT導入に影響するようになっている。IBMが、自社の重視する技術の利用を促進する取組みを強化しているのと同様に、Microsoftも学生をMicrosoft製ソフトウェアに引きつける目的で、各種の大学向けプログラムを実施している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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