コンピュータセキュリティ企業やソフトウェアベンダー各社は、米上院に対し、サイバー犯罪を対象とした世界初の協定を承認するよう呼びかけている。
Business Software Alliance(BSA)、VeriSign、InfraGard、Cyber Security Industry Allianceなどの企業や企業団体は、複数の上院議員に書簡を送り、論議の的になっているこの文書を批准するよう呼びかけた。この文書は昨年、議会での投票が行われずに期限切れとなる前に、一時的に大きな注意を集めていた。
28日に上院に送られた書簡には、次のように書かれている。「サイバー犯罪協定は、コンピュータネットワークを妨害したり、個人情報や機密情報を悪用したり、あるいはインターネットが可能にする技術を使って犯罪を行おうとする人間に対抗する世界的な戦いにおいて、重要なツールとして役立つことになる。ハッキングや著作の権侵害、コンピュータが助長する詐欺行為、児童ポルノ、その他の違法なサイバー活動に対抗していくには、世界各国でこれと同じような犯罪法が採用される必要がある」
米国ではすでに、この協定が要求することの多くを含む法律があるため、上院の投票は概して象徴的なものに終わると予想されている。この協定は、保存されているデータの操作と没収、インターネット上の盗聴、国境を越えた支援、警察の要求に基づくインタネットプロバイダの記録差し押さえなどについて定めた法を、各国が採用することを要求するものとなる。
この協定はまた、著作権に関連した刑罰も含む。加盟国は、行為が「商用規模で、かつコンピュータシステムを手段に用いて、故意に行われた」場合、インターネットの著作権を侵害したり迂回する端末を対象とした犯罪法を発効しなければならない、とも定めている。この基準は、デジタルミレニアム著作権法(Digital Millennium Copyright Act:DMCA)と類似したものだ。
また、加盟国は「違法な盗聴」や「データ干渉」を含む、協定が定めたサイバー犯罪を犯すことを目的に設計されたあらゆるハードウェアやソフトウェアを、インターネット上で「利用可能に」する行為を禁止することも要求している。場合によっては、そのようなハードウェアやソフトウェアを所持しているだけで有罪になるようにすることも求められている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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