米アダルトサイト、新しい記録保存法の適用猶予に

Anne Broache (CNET News.com)2005年06月27日 18時47分
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 米アダルト産業の業界団体は、米政府との交渉の土壇場になって、大半のアダルトサイトへの記録保存法の適用を一定期間猶予する内容の合意を取り付けた。

 アダルトエンターテインメント業界団体のFree Speech Coalition(FSC)と米司法省は米国時間の23日午後、適用範囲をオンラインコンテンツにまで拡大した新規則の発効を9月7日まで延期することで合意した。当初、この新規則は6月23日に発効予定だった。

 ただし、この発効延期の合意が適用されるのは、太平洋標準時間(PST)の6月25日午後2時現在FSCに登録されているサイトに限られる。FSCの加盟企業は27日までにFSCで自社名の登録を確認する必要があり、FSCが29日に裁判所が任命した特別補助裁判官に加盟企業名を記した極秘リストを提出する。

 米国政府は、5月末に官報に新規則を掲載し、その中で1988年に制定されたChild Protection and Obscenity Enforcement Act(児童保護法)に基づく記録保存法の対象となっている雑誌、ビデオなどのアダルトメディアのリストに、インターネットのウェブサイトを含めると発表した。

 適用範囲が拡大された新規則は、アダルトコンテンツの製作者と副製作者(アダルトサイトの場合はウェブマスター)に対し、出演者の氏名、生年月日、写真付き身分証明書が添付された文書のコピーといった、様々な書類の保存/提出を義務付けている。ただし官報の注意書によると、「副製作者」にはフィルム/映像処理業者、ウェブホストやISP、「配布/配信のみ」に従事する人々は含まれないという。

 米政府は記録保存法を制定した理論的根拠について、「出演者全員の身分を明らかにすることは、(アダルトコンテンツに)未成年者が出演していないと判断/保証する上で極めて重要であるため」と説明している。

 この記録保存法は各企業に関連情報を7年間保存するよう義務付けている。仮に企業がアダルトエンターテインメント事業から撤退する場合は、その後5年間の保存が義務付けられる。

 司法省が記録保存法の適用範囲を拡大したことに、アダルトエンターテインメント業界は猛反発し、FSCは今月はじめにデンバーの地裁に司法省を提訴した。FSCは訴状の中で、法の適用範囲が拡大されたことで、「ポルノ男優/女優のプライバシーや安全が脅かされる」と非難している。FSCは「児童ポルノには断固反対」としながらも、「手間のかかる記録保存制度」は合衆国憲法修正第1条が保障する成人の権利を不当に制限するものだ、と付け加えた。

 同地裁は、8月8日に仮差し止めに関する公聴会を開催し、そこで判事がさらなる差し止め命令を出すべきか否かを決定する。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向 けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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