止まらない情報流出
今回の侵害事件の直前にも、米国では、大規模な個人情報流出事件が相次いで起きていた。先々週CitiFinancialは、運送会社United Parcel Serviceに託した390万人分の顧客情報が、信用調査機関へ輸送される間に失われたと発表した。紛失した情報は、暗号化されていなかったという。CitiFinancialは、Citigroup傘下の企業。
過去数カ月間、Bank of America、Wachovia、ChoicePoint、LexisNexis、カリフォルニア大学バークレー校、スタンフォード大学からも情報流出が報告されている。
最新の調査結果2件が、データ保護に対する社会の懸念が高まりつつあることを浮き彫りにしている。Cyber Security Industry Allianceが米国時間15日に発表した結果からは、調査対象となった米国有権者の中で、97%が個人情報の盗難に対する何らかの対策が必要だと感じており、64%がコンピュータセキュリティ保護に政府は今以上に力を入れるべきだとしていることがわかっている。
また、Adobe SystemsおよびRSA Securityが実施した調査によると、ワシントンD.C.在住のオピニオンリーダー10人のうち8人が、国会議員は消費者データの安全性を保つための努力を十分にしていないと考えているという。
米国内のMasterCardブランドカード所有者に対しては、カード情報が不正に使用された場合でも、保護対策が用意されている。自分のカード情報が悪用されたと思われる際は契約銀行へ連絡してほしいと、MasterCardは利用者に呼びかけている。
一方、Javelin Strategy & ResearchのVan Dykeは、カード所有者に対し、みずからのアカウントを日常的にオンラインで確認し、なりすましの被害に遭っていないかチェックすべきだと話す。「なりすましが発生したとき、最初にそのことに気が付くのは、ほかならぬカードの所有者だ」(Van Dyke)
MasterCardは、銀行やCardSystems、ならびに捜査機関と協力して、本情報流出事件の収拾に努めているという。
MasterCardはまた、CardSystemsも自社システムのセキュリティを改善する施策を打ち出していると述べた。ただしMasterCardでは、CardSystemsに一定期限を課して、システムの安全性を示すよう求めている。この期限は公表されていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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