音楽関連の新興企業Mercoraが、同社のPtoPラジオネットワーク上で提供されている無料の楽曲を検索できるウェブベースの新ツールを提供開始する。Mercoraは、このツールを擁して、流行の先端を行くインターネット検索業界への参入を目指している。
同社は元々、ストリーミングネットラジオサービス企業として設立されたが、最近急速に業務拡大を図っている。同社が提供するのは、聴きたい曲をすぐに聴けるファイル交換ネットワークの要素とウェブラジオの合法的枠組みを組み合わせたような革新的なサービスだ。
この新ツールは、ウェブラジオの新たなリスナーとなり得る一般のインターネットユーザーをターゲットにしている。同ツールを利用することにより、ユーザーはMercoraのネットワーク上から好みの曲を探し出して聴くことができる。ネットワーク上には多種多様な楽曲が揃っており、ほぼ全てのニーズに応えられる。例えばTHE BEATLESと検索すると、20曲以上の楽曲が即座に表示され、それらを無料で聴くことができる。
「われわれがこのようなビジネス戦略を思いついたのは、現在、検索した音楽をすぐに聴ける音楽検索サイトが存在しないからだ」と語るのは、Mercoraのマーケティング担当バイスプレジデント、Atri Chatterjeだ。「現状では、ユーザーは30秒間の無料クリップで我慢するか、99セント払って一曲丸ごとダウンロードするか選ばなくてはならない。有料サービスに加入する手もあるが、いずれにせよ、即座に満足は得られない」と同氏は述べる。
過去数世代のウェブキャスティング企業にとって、好きな音楽を即座に聴ける音楽サービスの提供は危険を伴った。中には次第に高度化する機能を追加したがために著作権法に触れてしまった企業もあった。しかし最近は、法に触れることなく、可能な限り双方向性を提供するネットストリーミングサービスという新境地を開拓する新しいタイプの企業が続々と誕生している。そして、Mercoraもそうした企業の中の1社だ。
現行法の下では、ウェブラジオ放送局は、楽曲1曲当たり約0.07セントを著作権者に支払えば、著作権者の許可を得ることなく好きな曲を自由に放送できることになっている。しかし、一方でいくつかの制約もある。まず、リスナーは特定の時間に流れる楽曲を自由に選択できない。また、リスナーは楽曲を永久保存できない。さらに、アーティスト毎にラジオ局が連続して放送できる楽曲数が厳格に制限されている。
MercoraはこれらのルールをPtoPネットワークに適用した。PtoPネットワーク上では、各ユーザーはリスナーであると同時に自分のハードドライブから音楽を流すウェブ放送局でもある。Mercoraのサービスでは、各メンバーが現在流している楽曲を常に把握し、アーティスト毎に楽曲を検索できる仕組みになっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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