しかし、Intelチップへの切り替えによって、ハッカーが両方のシステムを狙うエクスプロイトコードを開発しやすくなる可能性があると、脆弱性対策企業のQualys(本社:カリフォルニア州レッドウッドショアズ)で最高技術責任者(CTO)を務めるGerhard Eschelbeckはいう。
セキュリティ情報会社iDefense(本社:バージニア州レストン)の悪質コード対策担当ディレクター、Ken Dunhamはこの考えに反論する。「チップが変更されても、Mac OSが悪質なコードによる深刻な影響を受けることはなさそうだ」(Dunham)
ハードウェアの移行自体は大きなセキュリティ問題につながらないかもしれないが、懸念されるのはその副作用だ。Intelチップを搭載したMacは価格が下がり、人気が高まる可能性があるが、それによってMac OSもこれまでより大きなターゲットになると、複数の専門家が指摘している。
また、Macのアプリケーションは新しいハードウェア上で動作するように書き直される必要があるが、IDCアナリストのCharles Kolodgyは、ソフトウェアメーカー各社はずさんなコーディングをしないように注意しなくてはならないと言う。「多くの開発者がプログラムを一気に変更していけば、意図的にではないにしろ、誤って脆弱性が生まれる可能性もはるかに高まる」(Kolodgy)
その一方で、AppleがWindows PCで一般的に採用されているハードウェアのセキュリティ機能をサポートすることになれば、Intelチップへの切り替えがMacのセキュリティを強化する可能性もあると、Kolodgyは述べている。Intelのハードウェアは、バッファオーバーフロー攻撃を防ぐ実行保護などのセキュリティ機能を提供している。
さらに、Windows PCでは、Trusted Platform Module(TPM)などのセキュリティを強化する補助チップが暗号化キーの保護手段として一般化しつつある。Macにはまだこのようなチップは搭載されていない。
「チップの変更でMacのセキュリティが強化されるだろう。Appleはこれまでハードウェアによるセキュリティに関心を示してこなかった」(Kolodgy)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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