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「アイデア工場」の実現に挑戦するマイクロソフト元CTO - (page 3)

Michael Kanellos(CNET News.com)2005年05月24日 09時00分
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--Intellectual Venturesは、Rambusのような知的財産権企業となることを目指しているのですか。それとも、別の方向を目指しているのですか。

 それは分かりません。どんなに興味深い知的財産でも、それに対するニーズがない場合もあります。このような場合は、それをヒントとして取り入れるか、会社を立ち上げるか、その他の革新的な活動を通して、ニーズを掘り起こす必要があります。

--どんな企業が御社に投資しているのですか。

 投資家の名前は公表していませんが、当社に投資をする企業は、超長期的な視野を持っていなければなりません。特許の取得には3年はかかりますからね。

--不思議なのは、特許がある種の感情をかきたてることです。特許の話を持ち出すと、かっとする人が少なくありません。

 それには私も首をかしげています。しかし、これは文化的な問題であり、相手がどの産業に属しているかによって反応は異なります。たとえば、医療機器業界で特許の話をしても、興奮する人は誰もいません。

--まさか。

 Medtronics、U.S. Surgical、または医療機器を扱う無数の中小企業に電話をしてごらんなさい。ほとんどの人は特許制度に何の問題も感じていないはずです。もちろん、個々の特許の正当性については意見の相違もあるでしょう。これはバイオテクノロジー産業でも同じです。あの業界の関係者に、特許制度を廃止したいかと尋ねれば、「とんでもない!」という返事が返ってくるはずです。

 例外は、私の専門でもあるコンピュータ産業です。しかし正直なところ、全体からみれば、これはちっぽけな例外にすぎません。この業界では、今日の大企業が成功を収めたのは特許のおかげではないという感覚が根強い。その急先鋒はOracleです。彼らはIBMからSQLのアイデアをコピーしたといってはばかりません。AppleとMicrosoftもXeroxから多くを学びました。

--例外もあるのではありませんか。IntelやIBMは特許を大いに利用してきました。

 IBMは特許を莫大な資産に変えました。それを批判することは私にはできません。IBMは他社が研究開発に力を入れていない時期から、長期にわたって研究開発を支援してきました。ワトソン研究所を維持するために、特許のライセンス事業が必要だというなら、私はその選択を喜んで支持するでしょう。私もかつて、Microsoft ResearchがMicrosoftのビジネスに寄与することを説明するのに苦労しました。Microsoft Research を設立することができたのは、この研究所の研究成果が必ずMicrosoftの製品や売上に寄与することを、Bill Gatesに納得してもらうことができたからです。この約束は現実のものとなりました。今ならBillも、Microsoft ResearchはMicrosoftが行った最良の投資のひとつだったと答えるでしょう。

 実話をひとつお話しましょう。IBM Researchは基礎物理学のさまざまな領域に取り組んでいますが、レーザーに取り組んだのもきわめて早かったそうです。伝えられているところによれば、ある日、研究者のひとりがレーザーでやけどを負ってしまったが、この事故をきっかけにIBMはヒト組織のレーザーアブレーションに関する初の特許を申請したといわれています。

--この特許はレーシック手術(訳注:レーザーを利用した視力矯正手術)にもまだ適用されているのですか。

 適用されています。IBMはこの特許のライセンス事業から莫大な利益を得ました。この特許は最終的にはLasikに売却されましたが、売却額は約2000万ドルに上ったとか!これは先端研究--この場合は高性能レーザー--に従事する社員を置くことを正当化するすばらしい事例ではないでしょうか。

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