日本相撲協会は、インテルの協力の下、両国国技館内に無線LANを配備し、来場者が館内に持ち込んだノートパソコンで国技館が提供する独自の情報を入手できるサービス「Sumo Live TV powered by Intel」を5月8日より開始した。同サービスは、両国国技館の常設サービスとして、大相撲1月場所、5月場所、9月場所で提供される。
日本相撲協会では、2003年より国技館内に限って視聴できるFMラジオ放送「どすこいFM」を提供するなど、来場者限定のサービスを提供している。これは「相撲のファン層が多様化し、観戦のエンターテインメント性への要望が高まったためだ」と、同協会 理事 広報部長の高砂浦五郎氏は述べている。新サービス導入の背景について同氏は、「IT技術を活用し、国技館来場者がパソコンを館内に持ち込むことで、相撲観戦をより楽しくする補足情報や、館内案内、店舗案内など、国技館内独自の情報を得ることができる。これにより、来場者の更なる満足度向上を図る」と語った。
日本相撲協会 理事 広報部長 高砂浦五郎氏 |
Sumo Live TVで提供されるコンテンツはストリーミング映像が中心で、その内容は、高砂部屋の大山親方が解説する相撲独自のしきたりや、裏方の仕事内容や力士のエピソードなどの紹介、「どすこいFM」放送席のライブ中継、大相撲の歴史紹介などだ。相撲自体のライブ中継などは現在のところ提供されていない。高砂氏は、「まずは国技館や相撲そのものを知ってもらうためのコンテンツを用意した。テレビのようなコンテンツが提供されるのはまだ先になるだろう」としているが、「今後徐々にコンテンツを充実させていく」と述べた。
無線LANの方式はIEEE802.1b/g 2.4GHzで、配信方式はマルチキャストとなっている。Sumo Live TVのURLはhttp://www.sumolivetv/だが、国技館内のみで有効だ。インテルCentrino搭載のノートパソコンを持ち込めば、Internet Explorer 5以上、Windows Media Player 9以降のアプリケーションを使って誰でも無料でアクセスできる。無線LANは、来場者にできるだけ簡単にアクセスしてもらうため暗号化されていないが、システム構築を担当したNTTブロードバンドプラットフォーム サービス開発部の眞部利裕氏は「外部からのハッキングの可能性はなく、他人のパソコン内の共有フォルダも見えないようになっている」としている。
今回のシステムの導入費用などは公開されていないが、高砂氏は「今後同様のシステムを他会場にも導入するよう検討していく。また、コンテンツをより充実させ、新規相撲ファンの掘り起こしと顧客満足度向上に取り組む」と述べた。
「Sumo Live TV powered by Intel」のトップ画面 |
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス