シアトル発--Windows Hardware Engineering Conference(WinHEC)で、Microsoftはオールインワン型PCの「Hip-e」をクールなハードウェアの展示スペースに並べたものの、このPCのメーカーに甘い顔をしたわけではなかった。
Hip-eのメーカーであるDigital Lifestyles Groupは先週、Microsoftから「ライセンス使用料の支払いが期限内に行われなかったため、Digitalと交わしているWindows出荷用のライセンス契約を打ち切ることにした」という通告を受け取った。
だが、未払いの請求書が残ったままでも、Microsoftは当地で開催中のWinHECで、Hip-eを展示した。Microsoftのブース担当者は「販売中の製品」とは言わなかったものの、「すばらしいコンセプトPCだ」と説明している。
Microsoftは、展示した製品の周辺にはHip-eに関する情報を掲示しなかったが、革新的なPCの製造を促進する目的で開始したPCデザインコンテストのビラにその名を載せた。
Hip-eは市場で大きな反響を呼んだわけではないが、革新的であることには間違いない。フラットパネルディスプレイを採用したマシンは独自のMP3プレイヤーを搭載し、取り外し可能なスピーカーも付いている。またこのマシンには取り外し可能な大型ラジカセに相当する機能も搭載されている。
だがDigitalは、Microsoft以外の問題にも直面している。26日に米証券所取引委員会(SEC)へ提出した書類のなかで同社は、Circuit CityがHip-eの発注量を変更し、いまではウェブサイトでの販売用に50台だけ欲しいと言っていると記している。
Digitalは、Microsoftへの未払い金を支払ったり、Circuit Cityへさらに多くの製品を出荷したりするには「相当な額の融資」が必要だとしている。だが、「近い将来、わが社がそのような融資を受けられる可能性は低い」という。その結果、Digitalは「進行中の事業を打ち切った」と述べている。
これとは別に、MicrosoftはWindows Server 2003の中間リリースの名称を、R2という開発コード名を残して「Windows Server 2003 R2」とした。
この選択は当たり前に思えるかもしれないが、Microsoftが開発コード名を正式な製品名に残すのは珍しい。同社の場合、最終製品の名称よりも、コードネームの方が覚えやすいということも多い。
このほかにも、R2にはこれまでに無かった点がある。それは、Microsoftが中間アップデートを有料で提供する点だ。R2にはさまざまな機能が追加されているが、これらは主にベンダーやパートナー企業が自社のサーバへアクセスできるようにしたいと考える企業向けのものだ。ただし、R2の中核部分はこれまでのものと変わっていない。
MicrosoftのSoftware Assuranceに加入している顧客は、無償でR2を入手できるが、それ以外の顧客がWindows Server 2003からR2へ移行する場合は、新たにサーバライセンスを購入する必要がある。ただし、OSの中核部分が変わっていないことから、サーバに接続する個々のPCを対象とするクライアントアクセスライセンス(CAL)は購入不要だ。
R2を試してみたいユーザーは、ここ2週間のうちに公開されるパブリックベータ版を利用できる。Microsoftは当初、このパブリックベータ版の公開を今週としていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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