感情を表現する、創造性を発揮する、コミュニティに参加するなど、ブログを書く理由は人によって実にさまざまだ。とは言え、営利目的でブログを付けている人は、少ないはずだ。
だが間もなく、利益を得る目的でブログを付ける人がたくさん現れるだろう。全米6000件あまりの地域ニュースサイトをネットワークに持つGetLocalNews.comは、広告収入を何千人にものぼるボランティアの記者と分け合う計画だ。
サンフランシスコに本社を構えるGetLocalNews.comのCEO、Edgar Canonによると、これは、大きなトラフィックを生んだ記事や写真を提供した人に広告収入の一部を支払うことにより、ボランティア記者の間でブログを付ける意欲を高めてもらうための施策だという。ニュースサイトにとって、トラフィックの増加は広告収入の増加を意味する。Canonは、この取り組みによって提供される記事や写真の質も向上すると期待している。
これはジャーナリズムの本質を問う取り組みでもある。「無償で記事を書くという行為は、コンテンツプロデューサーに身分を落とすことでもあると思う」とCanonは言う。
ジャーナリスト養成学校Poynter Instituteでシニアエディターを務めるSteve Outingは、貢献した人に報酬を支払うGetLocalNews.comの決断は賢明だという。同氏は、この方式が商用ブログの間で人気を呼ぶだろうと予想する。Outingによると、先日The New York Timesが買収したAbout.comも、ボランティア記者に報酬を支払っているという。だが、同氏は、金銭よりもTシャツ、マグカップ、クラシファイドサイトへの無料掲載などを報酬として提供するケースが一般的になるだろうと考える。
「人々の動機付けが大切だ」(Outing)。
ブログ人気により、プロのジャーナリストとアマチュアの物書きとの違いはあいまいになっており、将来的に、両者の区別はさらにあいまいになることが予想される。
だが当面は、多くの人々にとって「市民ジャーナリスト」として生計を立てることは難しいだろう。Outingは、この事実は今後も変わらないと見ている。
1999年にスタートしたGetLocalNews.comは、このような市民ジャーナリストに支えられてきた。設立当初の同社には、記者に報酬を支払うだけの体力などなかったからだ。
現在の同社では、オンライン広告収入の半分を記者への報酬にあてることが可能だと、Canonは述べる。報酬金額は、記事のページビューに基づいて決定する。Canonは、1000ページビューにつき2ドル〜5ドル程度の対価を支払う考えだ。支払い額が25ドル以上に達したライターには、四半期毎に小切手が送付される。
GetLocalNews.comのウェブサイトには、人為的にページビューを増やすことで報酬金額をつり上げようとする人に対する措置など、詳細な説明が掲示されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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