起業家求ム--気鋭の経営者が仕掛ける「一人シリコンバレー創業」 - (page 3)

インタビュー:西田隆一(編集部)
文:木原美芽、写真:津島隆雄
2005年04月01日 17時18分
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--このプロジェクトもそうですが、御社はユニークな人材育成制度を実施されていらっしゃいます。たとえば、1000人もの大学生を受け入れる「インターンシップ制度」などです。その発想のもとは何だったのでしょうか。

 日本では、残念ながら優秀な人材はIT業界ではなく、一般の大企業に集中しています。どんなに否定しても、大学時代に成績の優秀な人間の8割が大企業を目指しているという事実は揺るぎません。逆に、できの悪いうちの8割が、IT系を目指しているのです。大企業からのスピンアウト組がIT系で成功するのはなぜだと思いますか? 優秀だからですよ。私はもうずいぶん前に、このことに気付いていました。

 今、日本で一番優秀なSE集団を抱えている企業のひとつは、IBMでしょう。そんな彼らでさえ、ある大企業のプロジェクト担当になったら、顧客側の担当者の優秀さにはかなわらない。それほど、大企業の人材は厚いのです。そんな状況の中では、日本に優秀なITベンチャー企業がでてくるはずがありません。

 しかしアメリカを見て下さい。シリコンバレーには、3人ぐらいの小さな会社がたくさんありますが、彼らはみな飛び抜けて優秀な人たちばかりです。アメリカは、大企業の方が人材難で、ベンチャーに優秀な人材が集まっている。これでは、アメリカが世界で一番のIT立国になるはずです。

 結局、ベンチャーを興すには人材がすべてなのです。そのためわれわれは、大企業にいるIT経験はまったくないが現状に満足していない人材を積極的に採用し、社内研修で徹底的に鍛える方法をとりました。これが「テクノロジスト養成特待生」制度です。大企業にいた優秀な人材はキャッチアップのスピードが非常に速いので、1、2年で十分使える人材に育ってくれる。逆にIT業界にいてバイアスがかかってしまっている方が、マイナスなのです。

 しかし、中途採用だけで優秀な人材を補填していくには限界がある。そこで始めたのが、大学生に対する「インターンシップ制度」です。弊社のインターンシップ制度は1カ月の研修の結果で人材を見極め、合格者に対しては5年間有効の入社パスを与えています。その間は大企業に入ってもいいし、旅行に行っていてもいい。毎年パスを手にするのが1000人中400人ですが、新卒としてそのまま入社する人間が3割います。

--御社の人材採用の方法同様、「一人シリコンバレー創業プロジェクト」の根幹にあるのもまた、人材の大切さになりますか。

 もちろんそうです。参加者には良い人材に育って欲しいと思いますし、その後ワークスアプリケーションズグループのメンバーとして働いてもらったらハッピーだし、またそうでなくて彼らにはEXITする権利があります。だから、いつか自分で創業したいと考えている人は、ぜひ応募されたら面白いと思います。

--今回のプロジェクトには、社員の方が応募する可能性もあるのではないですか。

 可能性はありますが、賛成はしません。このプロジェクトに社外の方が参加することで多くのことを学んでいただけると思いますが、社員は社内にいるだけで、十分このプロジェクト以上のことが学べるからです。

--応募者にはどんなことを求めていますか。

 やはり、起業を実行できるキャリアと能力が欲しい。われわれは天才経営者を見つけられるとは思っていません。応募者の多くは、経営経験がない、または薄い人がほとんどでしょう。応募者は、経営者でありながら、実務家である必要があります。後者については、一定の能力が欲しいと思います。

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