アリゾナ州スコッツデール発--あと10年もすれば、空を自在に飛び回る小型でエネルギー効率のよい飛行機が、ジェット機よりも速く人々を目的地まで連れて行ってくれるようになると、新興航空会社が語った。
もっとも、規制の壁はまだ高く、解決しなければならない技術的/財政的な問題も山積み状態だ。
People Expressの創立者Donald Burrが立ち上げたPogo Jetは、4人乗りの飛行機を間もなく就航させる予定だという。搭乗者は、1マイル(約1.6km)の飛行ごとに1〜6ドルを支払い、4席すべてをおさえる必要がある。200マイル(約322km)の飛行ならば、運賃は800〜4800ドルになる計算だ。
People Expressの提供する価格体系と比べるとかなり高価だが、この新サービスを利用すれば、離発着の遅延に影響を受けずに遠方へ旅行できたり、長時間のドライブをせずに済んだりするようになる。またこの飛行機ではオンデマンドのフライトが可能になる予定なので、予約やスケジュール調整にかかる手間が大幅に省かれることになりそうだ。
Burrは、「Jack Welch(前General Electric CEO)の個人飛行機旅行とは異なる。低価格でプライベートジェット旅行ができるようになる」と、当地で開催中のPC Forumで開かれたFlight Schoolで発言した(PC ForumはNews.comを運営するCNET Networksが主催するイベント)。
Pogoは、今秋までに数機の飛行機を就航させたいとしている。その後2年間で50機の飛行機を保有し、未就航地域へもサービスを拡大する構えだ。同社は先ごろ、航空機を購入するための資金協力を大手金融機関から得ている。
一方、Ed Iacobucci(Citrix Systemsの初期投資家)が設立したJetson SystemsやCorporate Clipperなども、同様のサービスを提供しようとしている。Pogoは自社機のサービスのみを販売するが、JetsonやClipperは、競合社間で座席数をまとめたり、交換したりする予定だという。Jetsonは、オンデマンドフライトサービスを来年から開始したい意向だ。
ClipperのCEOであるGavin Stenerは、この市場がターゲットとするアッパーミドルクラスの乗客は、プライベートジェットで旅行ができるのなら、130〜150%増しの料金でもいとわず支払うだろうと述べている。Clipperがこうしたサービスを売り込もうとしているアッパーミドルクラスの人々は、高い料金を支払って払い戻し可能な航空券を購入しているのだ。これらの航空券販売ビジネスは、今や300億ドル規模に達している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス