電子メールのセキュリティアプライアンスを開発する米CipherTrust。主力製品の「IronMail」は、メールサーバに必要なセキュリティ機能を1台に集約した機器だ。米国での実績を受け、国内でも東京エレクトロンが2月23日にエントリ機種「IronMail S-10 Secure Platform」を初めて出荷した。
メールの保全に特化した専用機器
IronMailとは、Unixベースで開発した独自のセキュアOSに、独自開発のメール中継ソフトを乗せた製品。自ホストに対する攻撃を既知の攻撃パターンに照らし合わせて防御する不正アクセス防止機能も備える。この中核機能に加え、ウイルス/スパム対策機能、メールの署名・暗号化機能、社内のウェブメールサーバを使うためのウェブプロキシ機能を備える。
メール中継機能では、システム的にスパムを遮断する方策として、1個のTCPコネクションを切らずに複数のメール中継を依頼する振る舞いを禁止する機能を備える。この方法は、時間あたりのメール配信数を増やす方法として一般的であり、世の中のメール配信サービスがよく採る手法である。このほか、Sender IDやSender Policy Frameworkなど、メールを発信したメールサーバを認証するための各仕様を利用できるようにした。
ウイルス対策機能は、Sophos、McAfee、他社のOEM(相手先ブランドによる生産)供給から成る3種類のウイルス対策ソフトを搭載した。いずれか1つまたは複数を組み合わせられる。スパム対策機能は、アドレスなどヘッダ情報のフィルタリング、中継を許可/禁止するホワイト/ブラックリスト、メールの中身を判別するコンテンツ・フィルタリングで構成する。
署名・暗号機能は、SSL(Secure Socket Layer)、S/MIME、PGP(Pretty Good Privacy)を実装した。公開鍵暗号化方式を用いて電子署名や通信内容の暗号化を実現するもので、SSLとS/MIMEは特に信頼できる第三者が署名した電子証明書を用いる。SSLは、メールソフトとIronMail間、およびIronMailと相手のメールサーバ間を認証し、通信を暗号化する。 S/MIMEとPGPは本来はメールソフトとメールソフトとの間のエンドツーエンドでの電子署名と通信内容の暗号化をする機構だが、IronMailと他のメールサーバとの間での認証と暗号化にも利用する。
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