これまで主として通話だけに使われていた携帯電話が、カメラの力を借りながら、多機能な携帯端末に変わろうとしている。これらの端末では、写真を撮れるだけでなく、音楽の再生やウェブの閲覧、テレビ放送の受信などもできるようになる。
それを考えると、年に1度開かれる大規模な携帯電話業界のイベント、CTIA Wireless 2005(CTIA)で、今年はEastman Kodak最高経営責任者(CEO)のDaniel Carpや、ラッパーで洋服もデザインするSean "P.Diddy" Combsが基調講演を行うのは、一向に不思議なことではない。
たしかに、携帯電話はいまでも通話に使えるが、しかし今週ニューオーリンズで開催中のCTIAで発表される新製品は、2年ほど前に最初のカメラ付き携帯電話が登場して以来、写真撮影機能が携帯電話業界に与えた影響力の大きさを反映したものといえる。
現在、主要な携帯電話機メーカーの製品はカメラ付きが標準仕様となっており、たとえばNokiaでは今年1メガピクセルのカメラを大半のモデルに搭載する予定だ。また、最近では通信事業者が新規契約者へのばらまきに使っているような最も安価なモデルにも、カメラが付いていることがよくある。こうした多機能機のおかげで、それまで停滞していた米国の無線データサービス市場が活気づいたといわれており、企業顧客を相手にしているNextel Communicationsですら、自社の製品ラインにカメラ付きのモデルを追加しようとしている。
今年のCTIA Wirelessは、携帯電話業界にとって大きな分かれ目になるイベントになりそうだ。カメラ付き携帯電話が登場したことで、米国の消費者も自分の電話機からインターネットにアクセスし、撮影した画像を一般向けのウェブサイトで公開したり、特別に用意されたテレビ番組を観たり、友人の携帯電話に写真を送ったり、オフラインの印刷サービスに注文を出したりできることに気付いた。一方、通信事業者側でも、過去2年間に無線データ通信の売上が倍増したことを受け、この分野に対する関心を強めており、新たなデータサービスに進んで挑戦しようとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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