さて先週に引き続き、身の回りのSFCの学生にEdyについて話を聞いてみた。すると面白いことに、カード型のEdyを持っている人は多かったが、Edyを使っている人の全員がおサイフケータイでのEdy利用だった。話を聞いた男子学生によると「ケータイに5000円くらいチャージして使っている。チャージをしたら、Edyを使うことができるコンビニを選ぶようになった」とプリペイドカードにありがちな店の選択をし始めたそうだ。生協でも使えるようになったら、駅前のEdyが使えない店ではなく学校へ行って買い物をするようになるのだろうか。
また女子学生によると「始めは使わない機能だと思って放っておいた」としながらも「試しに使ったら快適だった」と使うようになったそうだ。「特に冬の時期、ケータイはコートのポケットに入れているので、鞄から財布を出さなくても買い物ができるのが手軽」と財布のひもが緩んだことを苦笑いしつつも快適さを語ってくれた。使い始めるまで(チャージするまでの)敷居はやや高いものの、使い始めると便利さを認識するという類のものなのだろう。
SFCの学生の間でも使い始めた人の評判は上々だったEdyは、本当にレジの列を解消できるのか。他の女子学生の経験を聞くと不安も見え隠れする。「以前ものすごく急いでいるときにコンビニエンスストアで使おうと思ったら、レジの人が慣れていなくてなかなかEdy決済が出来ず、結局小銭で代金を払った事がある」Edyを使おうとしたときの対応にお店側が慣れていないと、かえって時間がかかってしまうこともある点を指摘していた。スピーディーな決済には店員はもちろんのこと、われわれ利用者にも慣れが必要そうだ。
さてここまで電子マネーであるEdyがキャンパスに導入されるという話をしてきたが、学生が全員必ず持っているカード、学生証がEdy対応になったなら、と想像を膨らませてしまう。SFCでは磁気カード式の学生証が学生に発行されていて、メディアセンター(図書館)や、コンピュータがある特別教室に入る際などに磁気を読み取らせて使っている。また各種申請証の発行の際にも使っている。キャンパスでの生活に欠かせない学生証にEdyが入って買い物ができるようになったら便利そうだ。
それだけでなく、FeliCaケータイに学生証を入れることが出来れば、学生証を忘れてメディアセンターに入れないという事もなくなるし、ケータイの画面から認証が必要な学校のサービスを受けられるようになるかもしれない。そういった手続きや決済といった面での効率化だけでなく、授業や日常生活に生かせるような使い方だって有り得る。場所性と実名性を生かしたキャンパス内で有効なオープンなコミュニケーションシステムに成長をさせられれば、キャンパス内での人材や知識などの共有や活用に生かせる可能性もある。
企業では既にEdyやクレジットカード機能を持たせた社員証が普及している。キャンパスで有効な学生証も同じように導入することは可能だ。そこに大学のキャンパスならではの機能を持たせることができるか。あるいはそういうモデルを作れるかどうか。Edyの導入を期にしてキャンパスに与えられた1つの課題ではないだろうか。
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