ボストン発--Novellは米国時間15日、オープンソースソフトウェアプロジェクト「Hula」の立ち上げを発表した。同社はこのプロジェクトを通して、電子メールやカレンダー、アドレス帳管理などの機能をもつソフトウェアを開発する。
同社CEOのJack Messmanは当地で開催中のLinuxWorld Conference and Expoで基調講演を行い、Hulaが、自社製品「NetMail」のソースコード20万行をベースに開発されることを明らかにした。
Hulaは、MicrosoftのExchangeやIBMのDominoだけでなく、Novell自身が提供するGroupWiseとも競合すると見られる。しかし、Messmanはこの点について、Hulaは基本機能だけをもつ限定された製品になると述べた。
Novellは、Open-Xchange Serverを2004年にオープンソースソフトウェアとしてリリースしたNetline Internet Serviceとも提携している。NetlineのCEOであるFrank Hobergは声明のなかで、NetlineもHulaプロジェクトに参加する予定だと述べている。
Novellは、他の企業にもHulaプロジェクトに参加してもらいたいと考えている。
「Novellは、プロジェクトへの参加をオープンソースコミュニティに呼びかけたい」(Messman)
同社によると、HulaにはLesser General Public License(LGPL)とMozilla Public License(MPL)が適用される予定だという。
LinuxをめぐるNovell最大のライバルRed Hatも、オペレーティングシステムからより高レベルなソフトウェアへと、製品ラインの拡大を進めている。
Novellはさらに、PolyServeとの提携を発表した。Novellはこの提携の下、PolyServeのクラスタリングソフトウェア「PolyServe Matrix Server」を再販する計画だ。クラスタリングソフトウェアを利用すると、複数のサーバを相互に接続し、全体で1つのタスクを処理することが可能になる。PolyServeの同製品は、あるマシンが故障したら別のマシンが処理を引き継いだり、複数のサーバを接続して全体で1台のコンピュータであるかのように振る舞わせたりする機能をもつ。
Novell自身も、PolyServe製品のユーザーだ。Messmanによると、Novellでは、Oracleのデータベースが稼働する社内の財務管理サーバで、PolyServeのソフトウェアを利用しているという。ほかにも、Novellの顧客ではWells Fargo、DuPont、Westinghouse、米国防総省、Close Premium FinanceがPolyServe製品を利用している。
Novellは同日、情報セキュリティの国際的な評価基準Common CriteriaにおけるSuSE Linuxの認定レベルが引き上げられたことも発表した。
SuSEは2004年、Linuxとして初めてEvaluation Assurance Level(EAL)3+の認定を受けた。Novellによると、同製品は現在、これより高いEAL4+の認定を取得しているという。
さらにNovellは、かねてからの予測通り、SuSE Linux Enterprise Server 9とNetWareを同梱した「Open Enterprise Server」も発表した。同ソフトウェアのベータ版はこれまでに7000件以上がダウンロードされたとMessmanはいう。また同氏は、同ソフトウェアの正式版は3月初めにリリースされる予定だと述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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