ウェブデザイナー向けにDreamweaverとの連携を強化
一方、Forta氏は今回のMX 7を「ウェブアプリケーションの開発者だけでなく、ウェブデザイナーやクリエイターにも利用してもらいたい」として、デザイナーの利用度が高い「Dreamweaver MX 2004」との連携機能なども強化している。
Macromedia Dreamweaver MX2004用の最新機能拡張が含まれ、データソース管理やログインウイザードなどColdFusion開発支援機能を提供する(クリックすると拡大します) |
Dreamweaver MX 2004に、ColdFusion MX 7の拡張機能をインストールすることで、最新CFMLタグをサポートする。たとえば、ウェブフォームを作成する際、住所など各項目にユーザが入力したテキストがすべて表示される横幅になっているかどうか気にするデザイナーも多いだろう。Dreamweaver MX 2004のライブデータ機能を使えば、作業中のウェブページのデータ入力項目に、データベースに格納しているデータをリアルタイムに表示できるので、入力フィールドの横幅や高さなどの調整がスムーズに行える。
カレンダーなどのFlashフォームコントロールが利用できる(クリックすると拡大します) |
また、新たに拡張されたCFFORM属性を使用して入力フォームを定義すれば、ColdFusion自身がFlashによる入力フォームを生成する。そのため、これまでのように入力フォームを作成するためだけにFlash MXなどのデザインツールを利用する必要がなくなり、FlashフォームやXML文書のフォーム仕様であるXFormsに対応したフォームが作成できる。フォームの外観を、アプリケーション単位で変更することも可能だ。
フォームフィールドにリアルタイムデータを表示できるのは、ColdFusionが提供するRDS(Remote Development Services)を使っているためだ。これにより、Dreamweaver MX 2004上でColdFusionサーバへのファイル転送や、ColdFusionサーバ上のデータベース構造を一覧表示できる。つまり、データベースに格納されたデータを参照するために、いちいち専用のデータベース管理ツールなどほかのアプリケーションに切り替えて作業する必要がなくなった。
このほか、新しいタグの「CFDOCUMENT」を使ってHTMLやCSS、CFMLを囲めば、印刷や保存に適したFlashPaperもしくはPDFのフォーマットへコンテンツを変換できる。エンドユーザーにヘッダーやフッター、複数のページサイズ、縦横の選択などが備わった印刷、保存用のページを出力する機能を提供することが可能になるわけだ。
このように、デザイナーにも配慮した新機能が搭載されたMX 7だが、この配慮は価格にも表れている。基本的に2つのタイプが用意されており、1つは「ColdFusion MX 7 スタンダード版」で、2CPUあたり税込み標準価格が16万8000円と、従来のバージョンに比べると大きく値段を下げた。もう1つはエンタープライズ版で、2CPUあたり同126万円。スタンダード版の全機能に加えて、高速データベースドライバやサーバセキュリティなどエンタープライズ管理機能などが追加されている。
また、ほかにもアクセス制限など一部機能が制限されたデベロッパー版を無償提供し、30日間はエンタープライズ版のすべての機能が利用できるトライアル版(30日経過後は自動でデベロッパー版になる)も用意されている。
価格の引き下げやトライアル版の提供などについてForta氏は、「開発者はもちろんだが、デザイナーなども含めてウェブサイト構築にかかわる誰もが、より簡単に本格的なウェブアプリケーションを開発できるようにすることが、ColdFusionの変わらないコンセプトだ。そのため、もっと多くの人たちに利用してほしい」と語り、多くの人が試したり手を出しやすかったりする製品構成にした。
ただし、これには少し事情もあるようだ。Forta氏は「数百万〜数千万かけてBEA WebLogic ServerやIBM WebSphere Application Serverなど複雑なシステムのフロントエンドにColdFusionを導入し、開発の効率を上げた例は過去にあるが、そうした半面で実に皮肉なのは、ColdFusion利用者が実際に使っている機能のほとんどがColdFusion 1で10年前から提供されているものだ」と言う。CFMLはおよそ100ぐらいのタグがあるが、そのうち開発者が使っているタグはデータベースのクエリーを扱う「CFQuery」やその出力を行う「CFOutput」など、非常にベーシックな10個未満のタグに限定されていることが調査でわかった。
これについてForta氏は、「十分にColdFusionの能力や新しい機能がユーザーに理解されていないことを示している。そのために、もっと製品をアピールしていかなければならない」というわけだ。ただし、Forta氏は「裏を返せばウェブアプリケーションを開発する上での中核的な問題は、データベース関連など利用されている10個程度のCFMLに集約され、10年前から変化していないことを示しているとも言える。そのため、こうした問題をより簡単に解決するための新機能をMX 7で追加した。今後も他のマクロメディア製品との連携を密にするなど機能を拡張していく構えだ」と説明した。
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