米エネルギー省は、人のいない部屋の電気のスイッチを消すという習慣からママを解放してくれる技術に、何千万ドルもの資金を投資している。
エネルギー省は、ビルの照明に使われるエネルギーを2010年までに半減させることを目的としたプログラムで、センサー専門企業Dust NetworksとSVA Lighting USAと提携した。
このプログラムの第一段階として、同省と提携各社は無線の自動照明管理システムを開発する。このシステムは、企業が高額な資金を費やして配線を増やしたり、改造したりしなくてもビルに設置できるものになるという。
住宅用/商業用ビルで消費される電気の30%が、照明によるものだ。エネルギー省の試算によると、小まめに電源を切ることにより、年間80億ドル相当のエネルギーを節約できるという。
エネルギー省のデータによると、米国のビルでは年間3京BTU以上もの電力が消費されているという。米国全土の家庭用冷蔵庫を1年間冷やすためには、この1000兆BTUで足りるのだ。エネルギーを保存する技術を導入しなければ、米国のビルでのエネルギー消費量は、2020年までに4京BTUまで膨れ上がることになる。今回のプロジェクトは、ビルでの省エネルギーを目的に同省が力を入れる13の実験プロジェクトのうちの1つだ。これらのプロジェクトには、公的機関および民間団体より集められた3000万ドルもの資金がまかなわれる。
設置されるセンサーシステムは、屋内の人の行動や往来を監視する。人が部屋を出入りすると、センサーがネットワークに信号を送り、電源が消えたり入ったりする仕組みだ。しかし、既存の電気システムの中にこの新しいセンサーを組み込み、メッシュ状のネットワークを作り上げることは、技術的に難しい。
Dustのビジネス開発部門担当バイスプレジデントRob Conantは、この夏には、このような照明の電源を切り替える自動スイッチを組み込んだビルのデモンストレーションを実施したいと述べている。
研究者たちは、このセンサーネットワークの技術がすぐにも普及し、ビルの往来を監視するだけではなく、高速道路や防犯カメラに取って代わるものになると予測している。しかし、このようなシステムは企業からあまり受け入れられておらず、プライバシー擁護団体からは非難の声が上がっている。
カリフォルニアのバークリーに本社を置くDustは先週初め、2200万ドルものベンチャーキャピタル資金を新たに獲得したことを発表した。これを受け、同社が調達した投資資金は3000万ドルに達するという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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