メディアで話題になる回数はLinuxのほうがずっと多いが、しかしWindowsサーバソフトウェアも実利の点では負けていない。
Microsoftは米国時間27日に第2四半期の決算報告を行ったが、このなかで同社は法人を顧客とするServer and Tools部門の売上高が、前年同期比で18%増加したことを明らかにした。また、オープンソースのLinuxをはじめとする各種サーバOSと直接競合するWindowsサーバについては、ライセンス売上が前年と比べて17%の伸びを見せたという。
Microsoftのサーバソフトウェアの売上高は、ここ数四半期続けて2桁成長を記録している。これに対し、現在のドル箱製品であるWindowsクライアントならびにOffice製品の売上高は横ばいあるいは1桁成長が続いていると、アナリストらは指摘している。
また、MicrosoftのHome and Entertainment事業部は、ビデオゲーム「Halo2」のリリースにより、第2四半期に素晴らしい業績を残した。しかし、調査会社Directions on MicrosoftのアナリストGreg DeMichillieによると、今後の見通しが最も明るいのはサーバソフトウェアで、OfficeやWindowsが過去10年間に達成してきたような急成長と大幅な利益を期待できるという。
「サーバソフトウェアは成長中の市場だ。これに対し、デスクトップクライアント市場はあまり成長しておらず、ライバルから奪えるシェアもない。サーバの方は歴史的に独占的な立場になく、マーケットシェアは50%以下だ」(DeMichillie)
前四半期に28億ドルの売上を計上したServer and Tools事業部は、Microsoftの柱となるほかの事業部と規模で肩を並べるようになってきた。Client事業部は32億ドルの売上高があり、またOfficeを販売するInformation Workerは28億ドルの売上を上げた。一方、Home and Entertainment事業部の売上は14億ドルとなった。
Server and Toolsグループでは、Windows Server 2003、Exchangeメッセージングサーバ、SQL Serverデータベース、開発ツールや各種のサーバソフトウェアを扱っている。同グループのライバルのなかには、LinuxベンダーのRed HatやNovell、そしてIBM、BEA Systems、Oracle、Sun MicrosystemsといったバックエンドのJavaソフトウェアメーカー各社が含まれる。
Microsoftは今年の夏にSQL Server 2005(開発コード名「Yukon」)をリリースする計画だが、アナリストらはこのリリースに同社のサーバビジネスがさらに伸びると予想している。
28日に公表されたJP Morganの調査レポートは、「この市場には、導入済みの顧客によるアップグレードと新規導入の両方で、大きなチャンスがあると考えている。Microsoftにとっては、Yukonのリリースで大幅に機能が改善されるビジネスインテリジェンススイート製品が特に追い風になるだろう」と指摘している。
Morganはまた、Yukonのリリースにより、さらに多くのソフトウェアエンジニアがLonghornの開発に回れるようになると付け加えている。
しかし、Servers and Toolsが好業績を上げているからといって、激しい競争がなくなったというわけではない。同社は実際に、オープンソースソフトが自社のビジネスモデルに脅威となっている点を指摘している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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