VeriSignを含むドメイン管理事業者5社は米国時間19日、.netドメインの管理をめぐる競争への参加意志を正式に表明した。現在同ドメインの管理はVeriSignが行っている。
VeriSignは今回、ドメイン管理事業者としての権利を継続保有するための取り組みで、初めて厳しい競争に直面する。.netのドメイン管理事業者は、5億以上のドメイン名を管理しており、年間3兆にものぼるページビューに影響力を持つ。
「.netの入札プロセスでは、各管理事業者が自社の能力に関してさまざまな主張をしてくるだろう。しかし、各社のこれまでの実績はICANN(the Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)に報告されており、同グループのサイトで公表されている」とVeriSignの広報担当Tom Galvinは述べ、さらに「VeriSignは、われわれの実績と競合各社のそれとをぜひ比較してもらいたいと考えている。われわれは一貫して、この立場に求められる責務を果たすと公約し、それを上回る活動をしてきた」と語っている。
同氏の指摘によると、VeriSignは自社のインターネットインフラに1億5000万ドルを投じており、ダウンタイムを一定のレベル以下に抑えたり、ドメイン名をめぐる争いを解決したりといったサービス要件を満たしてきたという。
VeriSignは、.usおよび.bizドメインを管理するNeuLevel、.infoを運用するAfilias、ドイツの.deドメイン名を扱うDENIC、そしてドメイン登録業者、同管理事業者、および通信/ネットワーク企業がつくる国際的なコンソーシアムのCore++と競合することになる。
ICANNは18日に入札を締め切っており、.netを管理する新たな事業者を3月に指名する見通し。VeriSignとICANNが交わした.netの管理契約は6月30日に切れる。
現在、VeriSignとICANNは法廷で係争中だが、VeriSignはこの裁判のなかで、ICANNは新機能の追加を妨害し、両者の契約と独禁法に違反した、と主張している。このような機能の1つが、論争を呼んだSite Finderで、これはスペルを間違えたり、割り当てられていない.comや.netドメイン名を入力すると、VeriSignが保有する検索ページにリダイレクトするというもの。ICANNでは、.netの入札審査を独立した第三者に依頼している。
VeriSignとAfiliasが競合するのは今回が2度目となる。VeriSignは2003年1月、バックエンドの技術業務をAfiliasに依頼していたPublic Interest Registryに.orgドメインの管理業務を譲渡した。この譲渡は、より収益性の高い.comの管理事業を継続保有するためにVeriSignがICANNと交わした契約の一環だった。
「今回名乗りを上げた5社のなかで、こうした移行を経験しているのはわれわれだけだ」とAfilias広報担当のHeather Carleは述べている。「われわれには、.orgユーザーへのサービスに支障をきすことなく、VeriSignのシステム内にあったデータをわが社のシステムに移すことに成功したという実績がある」(Carle)
この移行作業には260万ドルの費用がかかったと、同氏は付け加えた。
一方、ドイツのドメイン管理事業者DENICは、これまで国際的な市場で活動してきた自社の能力を、.netドメインを管理する上でのアドバンテージの1つとして強調している。
「現在、トップレベルドメインを管理している事業者はすべてが北米企業であり、国際的なインターネットコミュニティのメンバーの多くはドメイン管理に関して他地域の企業の存在を拡大するよう求めている」とDENICの執行役員であるSabine Doldereは声明のなかで述べている。
NeuLevelと日本レジストリサービスの2社は、共同で今回の入札に参加を表明している。両社は、Sentan Registry Servicesというジョイントベンチャーを通じ、これまで.bizドメインを管理してきた実績を示し、同ドメインが「安定しており、信頼性が高く、かつスケーラブル」である点を強調している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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