株価上昇トレンドを持続、沖電気の強みとは

 沖電気工業の株価は、昨年9月29日に昨年来安値の338円で底をつけて以来、ジリ高歩調をたどり、ここまで上昇トレンドを持続、直近450円台に乗せてきている。これは多くの主力ハイテク株の株価の戻りが非常に鈍い動きとなっているなかで、際立った株価の上昇といえる。この株価の強さの裏付けとなっている沖電気の業績面の変化を探った。

 みずほ証券は、1月12日付のレポートで沖電気を取り上げ、「足元の業績は増額修正余地があり、来3月期も増益が続こう」として、投資判断を従来のやや強気の「2」から、最も強気の「1」に引き上げ、目標株価を600円とした。

 沖電気の業績は、前3月期の連結経常損益が124億5900万円と黒字化したのに続いて、会社予想の今3月期の連結経常利益は前期比68%増の210億円予想だが、多くのアナリストは、実際には230〜240億円程度に達するものと予想している。純利益については同7.5倍の100億円予想だが、さらに増額含みとなっている。続く来3月期の連結経常利益は280億円、純利益は140億円と見込まれている。そして、早ければ今期末にも5円復配との期待感も高まっている。

 同社の今後の動向を探ってみると、これまで収益を支えてきたATM金融端末、プリンタに続いて、IP電話が次の成長をリードすることになりそうだ。データ通信回線に音声を統合させるネットワーク技術、VoIPを軸に、IP電話は普及が加速し、採用企業が相次いでいる。

 また、NTTは2010年までに光回線関連の投資として総額5兆円を投じ、加入数の約半分にあたる3000万回線を光回線に切り替える方針で、固定通信部門の年度設備投資額の大半を同設備投資に充てるという。この設備投資の拡大により沖電気は、通信ネットワークの光化、IP化の流れの恩恵を受け、ソリュ―ション、プリンタ、通信インフラ、ニッチ半導体など各事業がバランス良く拡大する期待感が浮上している。さらに、トップマネジメントも評価でき、財務体質もファイナンスで一段と改善傾向にある。

 沖電気の現在の株価水準は、連結予想PER(株価収益率)27倍台、PBR(株価純資産倍率)2倍と投資尺度面では割安さに乏しいものの、信用取組は昨年1月7日申込現在で信用倍率1.28倍と、かなりきっ抗している。また、日足チャートは25日移動平均線を下値支持ラインとする力強い上昇トレンドにあることなどから、当面は上値を目指す展開が予想され、昨年3月8日に付けた昨年来高値530円の回復が当面の目標となりそうだ。

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