NECパーソナルプロダクツは1月6日、個人向けPCの2005年春モデルの発表会を行った。新製品の最大の特徴は、ビデオ関連の機能を大幅に向上した点にあるという。
従来、NECでは家庭用のHDDレコーダー向けの画像処理チップなどを開発・製造していたものの、同社製のパソコンにはコスト面やTVボード上に搭載できるチップ数の制限から搭載していなかった。
今回、新たに開発したTVボードでは、そうした問題を解決するために、画像エンジンを新たに開発。10ビットADコンバート、3次元Y/C分離、NTSCデコーダー、MPEGエンコーダー、PCIバスブリッジという5つの機能を1チップ化。基盤上の面積の削減と省電力化を果たすことで、初めてパソコンに搭載できるようになったという。
左が新開発の画像エンジンを搭載した機種の映像。右側の従来製品と比較して、色のくすみのない鮮やかな発色となっている。 |
また、1チップ化によって外部ノイズの影響を受けにくい構造にしたことや、チップ内の各機能でそれぞれブラッシュアップを図ることで、画質を向上させた。これにより、従来よりもはるかに高い色再現(同社比1.6倍の色彩表現範囲)ができるという。液晶パネルに関しても応答速度の高速なものを採用することで、動画の表示性能も向上させている。
独自のデザインで特徴を演出
今回発表された製品の多くは、映像エンジンと液晶パネル、搭載されるソフトウェアの変更によるマイナーバージョンアップであるが、ラインアップの拡充として新たに2機種が追加された。
LaVie TW |
1台目は、17型のワイド液晶を搭載し、ハイエンドな機能を装備することで「プレミアムノート」と冠を与えられた「LaVie TW」。同機種は、高級感をデザインと機能の両面で演出すべく、パームレストに革張りを採用したほか、TV機能とパソコンを切り替える操作パネルには、ボタンではなくタッチセンサーを搭載している。タッチセンサーは上に指をかざすと動作する独自の操作スタイルとなっている。
このほか、モニターにはWXGA+(1440×900ピクセル)の表示が可能な高輝度モニターを装備。「スーパーシャインビューEX液晶」と呼ばれる液晶パネルは、色再現性が液晶ではトップクラスの72%以上を実現しており、より鮮やかで自然に近い色を表現できるのが特徴だ。
VALUESTAR SR |
2台目の「VALUESTAR SR」は、液晶モデル一体型で19型液晶モニターを装備したハイエンドモデル。LaVie TW同様にスーパーシャインビューEX液晶を搭載して色再現性の向上を図ったほか、現在の一体型パソコンとしては珍しい前面から出し入れできるDVD+Rドライブや各種の端子を装備したデザインに特徴がある。
VALUESTAR SRは、HDDレコーダーの上に液晶テレビが乗ったようなデザインで、左右45度にチルトする。これにより、AVラックに設置しても、見やすいポジションに角度変更できるほか、ラックから出さなくてもDVDの入れ替えやAV機器との接続が行える仕組みだ。また、2層書き込みが可能なDVD+Rを搭載したことで、DVD1枚あたり最大12.5時間の録画も可能になっている。
同社によれば、ハイエンドなPCを求める男性ユーザーで、モニター一体型を要望する向きも多く、そうしたユーザーに答えたモデルであるという。パソコンに「かわいさ」や「きれいさ」ではなく、周りのAV機器との調和などのデザイン性を求めるユーザーに訴求するイメージと言えるだろう。
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