Googleは、スタンフォードおよびハーバードの両大学をはじめ多数の機関の協力を得ながら絶版本や著作権で保護された作品をデジタル化し、Google上でこれらの書籍を検索できるようにする計画だ。
同社は米国時間14日、ミシガンとオックスフォード両大学の図書館や、ニューヨーク公立図書館など5カ所の図書館と協力しながら一部の書籍をデジタル化し、Googleでこれらを検索できるようにする計画であることを発表した。また同社はこの日、Google Printサービス用にスキャンした書籍のサンプリング作業を開始したという。Google Printは10月に正式発表されたサービスで、これを利用すると書籍内のテキストを検索できる。
Googleと各機関との提携範囲はさまざまである。たとえば、Harvard PublicationsのディレクターPeter Kosewskiによると、同大学では1500万という蔵書の中から無作為に抽出したわずか4万冊の書籍をスキャンする試験プログラムを、Googleと共同で進めているという。同大学の図書館は、米国最大の学術図書館で、その歴史は1630年代にまでさかのぼる。Googleとの共同作業のなかでハーバード大学は蔵書の保管状態や著作権問題を綿密に調査し、個々の書籍について処理を進めることが適切であるかどうか判断していくと同氏は述べる。
Googleは以前から、世界中の情報へのアクセスおよび検索を可能にすることを目指しており、その土台になるのが図書館に保管された蔵書のオンライン化であると述べてきた。GoogleのSusan Wojcickiによると、同社自体がスタンフォード大学の図書館にあった蔵書をデジタル化するプロジェクトから誕生したという。そして、創業メンバーは検索可能な巨大図書インデックスの作成を以前から計画してきたが、今ようやく図書館と協力しながら大量の蔵書をスキャンしていくだけの技術とリソースが整ったと同氏は述べる。
MicrosoftやYahooをはじめとするライバル企業との厳しい競争に直面するGoogleは、ウェブ検索サービスの差別化に以前から取り組んでいる。同社は、新しいアイデアを取り入れることで、自社サービスをユーザーにとって不可欠なものにしたいと考えだ。その取り組みは、ジンバブエにある無名の旅行サイトを見つけ出したり、宅配便で送った荷物を追跡したりする機能をユーザーに提供するだけにとどまらない。今ではユーザーがシェークスピアの作品を呼び出して読むことだって可能だ。
しかし、同社は著作権という難問をクリアしなくてはならない。図書館は、著作権で保護された図書を保管しているだけで、これらを配布目的で複写する権利は持っていない。そこで、Googleは出版元と交渉し、広告の売上高を分配したり、作品のごく一部だけを抜粋したり、Amazon.comなどのサードパーティーサイトでの図書購入を推奨するなどの取り決めを行う必要がある。Googleではここに挙げた例をすべて実行する計画だという。同社では、まず最初は著作権で保護された作品については、著者、発行年月などの書籍情報だけを表示すると語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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