Hewlett-Packard(HP)と新興企業のS2ioは、HPが今後S2io製ネットワークアダプタを販売することで合意した。両社によると、同アダプタのデータ転送速度は、現在普及している標準製品の10倍という。
S2ioが開発するXframeアダプタの最大データ転送速度は10Gbps(ギガビット/秒)で、HP製のUnix上で利用できる。両社はこれらの詳細を米国時間6日に発表する予定。
長年、サーバには最大データ転送速度が1Gbpsの内蔵型Ethernetアダプタが搭載されてきたが、S2ioは今後さらに幅広いネットワーク帯域に対する需要が着実に拡大すると見込んでいる。しかし、調査会社Insight64のアナリスト、Nathan Brookwoodは、10Gbpsが主流となるのはまだだいぶ先になると予想している。
「大半のサーバのデータ転送速度が10Gbpsになるのは、まだ当分先の話だろう」とBrookwoodは述べ、その理由の1つとして、1Gbpsのネットワークではデータ転送に銅線を使用するのに対し、S2io製アダプタは、より高価な光ファイバを利用する点を挙げた。「銅線上で10Gbpsのデータ転送を実現する方法が発見されるまで、(それらのアダプタは)大型のサーバやスイッチでしか利用されないだろう」(Brookwood)
S2ioはHP以外のサーバメーカーとも提携している。Sun Microsystemsは今年8月、同社のSolarisオペレーティングシステム(OS)でXframeアダプタをサポートする計画を発表。しかもこのサポートは、同社のSparcプロセッサ向けSolarisとAdvanced Micro Devices(AMD)のOpteronプロセッサ向けSolarisの両方で行われる予定だ。また、Silicon Graphics Incは今年5月、将来Xframe製品を発売すると発表した。さらにCrayも現在Xframeを搭載したXT3スーパーコンピュータを販売している。
S2ioの設計では、現在幅広く利用され、インターネットの土台となっているTCP/IP標準で暗号化されたネットワークトラフィックを処理するための特殊なプロセッサを使用している。この「オフロード」エンジンにより、サーバのメインプロセッサはネットワークトラフィックの処理に大半のエネルギーを費やす必要がなくなり、その代わりに有用な仕事をこなせるという好循環が実現される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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